1981年に落成したばかりの185系。「踊り子」の前身にあたる「あまぎ」のヘッドマークを表示している (C)朝日新聞社
1981年に落成したばかりの185系。「踊り子」の前身にあたる「あまぎ」のヘッドマークを表示している (C)朝日新聞社

 真新しい通勤電車を次々と投入するJR東日本で唯一、国鉄時代に製造された車両で運転されている定期特急が「踊り子」である。主に東京~伊豆急下田・修善寺間で運転され、温泉旅行や海水浴に行く観光利用が多い特急である。

 現在使用されている185系は1981年の登場で、すでに38年になる。登場時はリクライニングしない座席や、開閉できる窓などが特急らしくないと言われていたが、1990年代後半にリニューアル改造されて、回転リクライニングシートに換装されている。また、同時期に塗色変更されたが、現在は全編成が「踊り子」らしい懐かしの斜めストライプに戻されている。

 同じく185系を使用していた高崎線系統の「草津」「あかぎ」は651系に置き換えられており、なぜ「踊り子」だけが取り残されたかは不明だが、近々「あずさ」を引退したE257系のリニューアル車に置き換えられる模様である。

 鉄道ファン的には、首都圏に残る唯一のMT54を主電動機に使用し、懐かしいモーター音が楽しめる列車でもある。ぜひ「主電動機があり、コンプレッサーを搭載するモハ184形」に乗っておきたい(グリーン車付きの10両編成では2・6・8号車)。

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最後の本流「国鉄特急形電車」やくも