早稲田大国際教養学部の業種別就職状況(「就職力で選ぶ大学2018」から引用)
早稲田大国際教養学部の業種別就職状況(「就職力で選ぶ大学2018」から引用)

 外国人を採用する企業や、社内公用語を英語にする企業が増えてきた。そんな中、早稲田大学国際教養学部は、グローバルに活躍できる人材を求める大手企業や外資系企業から注目を集める。なぜ就職に強いのか、AERAムック「就職力で選ぶ大学2018」(朝日新聞出版刊)でA・J・ピニングトン学部長に聞いた。

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「初めて卒業生を送り出した2008年に、採用基準が厳しい国際的な人気IT企業に1人が採用。翌年以降も同社に多くの国際教養学部出身者が採用されています」(早稲田大学国際教養学部のA・J・ピニングトン学部長)。

 早稲田大学国際教養学部は、2004年に設立された国際教養系の大学、学部の先駆けだ。英語が話せて国際感覚が豊かな人材を求める日本企業は多く、卒業生の就職に心配はなかった。それでも、IT系の人気国際企業での採用は、大きな教育成果と捉えられたようだ。

「アメリカの伝統的な教養学部(リベラルアーツ)では大学院進学が多いですが、本学の国際教養学部は進路が多彩なことが特徴です」 

 国際教養・グローバル系と一口にいっても、大学、学部によってカリキュラムや授業形態はさまざまだ。早稲田では海外からの留学生が約3分の1を占めており、授業の共通言語は英語。しかも母語が日本語の学生は1年間の海外留学が必修となっている。

「留学までの準備教育が充実しているので、帰国後は英語も含めて驚くほど成長しますよ」

 企業にもそれが評価されて、就職先はそうそうたる大手企業や有名な外資系ばかり。業種別ではメーカー、金融、情報・通信がトップ3となる。いずれも世界を市場とする産業で英語力が不可欠なので、納得できる結果といえるだろう。(笠木恵司)

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