タレントとしての良純は、00年代に入ってから大きな転機を迎える。テレビ情報誌の編集者はこう振り返る。

「俳優デビュー後、『西部警察』や『太陽にほえろ!』に出演していたころは、演技力が未熟だったこともあり、2世タレントとしてあまり好かれていない部分もありました。転機になったのは04~13年に放送された『中井正広のブラックバラエティ』でしょう。同番組で“いじられキャラ”が開花しました。また、同じころにフジテレビのニュース番組で天気予報を10年以上担当したことも知名度アップに貢献しました。オリコンの『好きな天気キャスター/気象予報士』ランキングで3回連続1位になったこともあります。このころから親しみやすさが一気に増し、頭の良さもお茶の間に浸透していった。若者の間でも人気ですが、なかには2世であることを知らない視聴者も少なくないようです」(同)

■暴言を吐いても許されるワケ

 一方で「切れキャラ」も良純の魅力のひとつ。ときに暴言を吐くこともあるが、なぜか許されてしまうから不思議だ。

 先日も陣内智則が、後輩芸人のYouTubeチャンネルで「やりづらいと思った芸能人」として良純の名を実名で告白したことが話題に。「良純さんがYouTuberなんかと口論すんねんけど、俺が止めたら『うるせぇ! お前黙っとけよ!』って。カチンときて、俺も機嫌悪くなってしまって」と明かした。

 前出の放送作家は良純の気性の荒さをこう説明する。

「陣内さんと良純さんは騒動後に別の番組で再会。良純さんから謝ることで和解したそうですが、口論になって『うるせぇ!』と言い返せるのは、彼ほどの育ちの良さだから成立するリアクションでしょう。長嶋一茂さんもそうですが、どれだけ暴言を吐いても、今のテレビ界で許されてしまうのが最大の強み。良純さんはギリギリでの口論芸が得意技で、いろんな番組でそれをやり続けた結果、テレビ朝日が誇る高視聴率バラエティー『ザワつく!金曜日』のメインキャストになっています。同番組は大みそかに特番をやるほどになり、若い視聴者層からの評判も上々。一方で、昭和のスターをオンタイムで見てきた60代以上にも根強い人気があります。秀才ぞろいの石原一家ですが、良純さんは実は石原家で最もIQが高いとも言われていますし、趣味や知識も豊富。タレントとしてあと10年は安泰でしょう」

次のページ
若者には「頑固オヤジ」のような雰囲気も新鮮