『みそきん 濃厚味噌メシ』(左)と『みそきん 濃厚味噌ラーメン』(撮影/上田耕司)
『みそきん 濃厚味噌メシ』(左)と『みそきん 濃厚味噌ラーメン』(撮影/上田耕司)

 試しに、もう少しお湯を足してみた。辛さは軽減されたが、みその風味も薄くなってしまったので、やはり規定のお湯の量でつくるのが正解だろう。となると、この味の濃さ、辛さは好みを分けそうだ。

 カップ麺の熱量は511キロカロリー。同じ日清食品の「カップヌードル シーフードヌードル BIG」が477キロカロリーなので、それよりも30キロカロリー以上多い。肥満気味の筆者にとっては、もう少しカロリーも抑えてほしかったところだ。

 お次はカップ飯。麺の方が辛かったので、今度は「特製香味油」は入れずにつくった。スープがご飯と絡み、おじやのようにスルスルと口に入る感じで、個人的には、こちらの方が好みだった。

 値段は「濃厚味噌ラーメン」が300円(税込み)、「濃厚味噌メシ」が322円(税込み)と少しお高めだが、メルカリを見ると、すでに「濃厚味噌ラーメン」が1箱(12個入り)6000円から1万数千円で売られていた。品切れになると読んで、はやくも転売の対象になっているのか。

 実際、9日午後に調べてみると、東京・江東区にある駅前のセブン-イレブンでは棚に一つも置いていなかった。店員に聞くと、「ついさっき売り切れました」とのことだったので、商品が評判になれば、これから売り切れ店舗も増えるかもしれない。

 HIKAKINを知る関係者は『みそきん』に懸ける彼の思いをこう話す。

「HIKAKINは本当に単純なラーメン好きなんです。彼はずっと自分のラーメンを作りたいと思っていて、今回もお金よりも自分の夢であることは間違いない。ラーメン店をプロデュースすることも可能だろうけど、それだと誰かに経営を任せることになり、自分の手から離れてしまう。店を立ち上げるのにはリスクもあるしね。でもカップ麺、カップ飯であれば監修という形で自分が納得できるまで関わることができることも大きかったと思います」

 個人的な好みでは、カップ麺もカップ飯もクセになるほどの中毒性はなかった。だが、試行錯誤を繰り返してトップYouTuberに上り詰めたHIKAKINのこと、ラーメン界でもさらなる“仕掛け”をみせてくれることだろう。

(AERA dot.編集部・上田耕司)

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上田耕司

上田耕司

福井県出身。大学を卒業後、ファッション業界で記者デビュー。20代後半から大手出版社の雑誌に転身。学年誌から週刊誌、飲食・旅行に至るまで幅広い分野の編集部を経験。その後、いくつかの出版社勤務を経て、現職。

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