■ちなみに基礎代謝と新陳代謝のちがいとは?

「ヒトの臓器・組織における安静時代謝量」をもとに作成基礎代謝と似た言葉として、新陳代謝があります。基礎代謝が生命維持のためのエネルギー消費のことであるのに対し、新陳代謝は新しい細胞が古い細胞と入れ替わるしくみを指します。細胞の入れ替わりのサイクルは部位によって異なり、胃腸の組織では約5日、心臓の組織では約22日の周期で入れ替わります。

■基礎代謝は上げられる?

基礎代謝量は加齢とともに減少してしまいますが、ライフスタイルを見直すことで増やすことができます。

〇筋肉量を増やす

筋肉は基礎代謝量の20%を消費する器官。そのため、運動や筋肉トレーニングで筋肉量を増やせば基礎代謝量は多くなる。

〇腸内環境を整える

腸内で善玉菌が生み出す短鎖脂肪酸により、腸のぜんどう運動や内臓全体の働きが活発になって、エネルギー消費が増える。

〇体温を上げ血行をよくする

入浴やあたたかい食事の摂取、運動などで血行を促進し、体温を1度上げると、基礎代謝量が11~12%増加するといわれている。

〇正しい姿勢で過ごす

姿勢を正しくすると、正しい位置に戻った内臓の動きや働きがよくなり、血行も改善され、基礎代謝量が増える。

〇深い呼吸をする

深い呼吸で酸素を多く取りこめば、エネルギー消費の効率が上がる。また、腹式呼吸では横隔膜などのインナーマッスルを鍛えることもできる。

(構成 生活・文化編集部 上原千穂)