さらなる飛躍が期待される結成3シーズン目の“かなだい”ペア
さらなる飛躍が期待される結成3シーズン目の“かなだい”ペア

 2007年に東京で開催された世界選手権で、フリー『オペラ座の怪人』を滑り切った高橋大輔は、男子シングルの銀メダルを獲得した。そしてアイスダンサーとしては3シーズン目となる今季、高橋はフリーダンスで再び『オペラ座の怪人』を滑る。

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 この選曲を最初に提案したのは、村元哉中&高橋を指導し、振り付けも担当するマリーナ・ズエワコーチだという。ズエワコーチは、配信された動画の中でその意図について語っている。

「ダイスケの夢はアイスダンサーになることというのを、私は知っていました。みんなにアイスダンスがしたいと話して、彼はついにアイスダンスをやりました。そして私はダイスケのために、再びファントムを選びました。これはダイスケのライフ・ストーリーでなければなりません。彼には、自分自身を表現するプログラムになると伝えています」(「村元哉中・高橋大輔 シーズン直前スペシャル~新プログラム振付の裏側~」より)

 高橋はこの『オペラ座の怪人』で、歌姫クリスティーヌに自らの音楽を歌わせることで思いを実現するファントム(怪人)を演じる。そのストーリーに重ねて描くのは、クリスティーヌに扮する村元とカップルを組むことでアイスダンサーになる夢を叶えた、自らの物語だ。前述の動画の中で、高橋と村元、ズエワコーチは試行錯誤しながら思い描くプログラムを形にしていく。振り付けは、ディテールをひとつひとつ積み上げて作品を構築していく地道な工程であることを思い知らされた。

 2020年2月に練習を開始した直後からコロナ禍に見舞われながら、村元&高橋は急速な進歩を遂げてきた。北京五輪シーズンとなる昨季は、日本歴代最高得点を更新。惜しくも北京五輪代表からは漏れたものの、四大陸選手権で銀メダルを獲得している。キャリアを重ねて少しずつ順位を上げていくカップルが多いアイスダンスの世界では、異例の快進撃を見せてきた。

 村元&高橋の急成長を支えているのは、五輪金メダリストも育ててきたズエワコーチの作るプログラムだ。特に、モダンな和を表現する昨季のリズムダンス『Soran Bushi&Koto』は、村元&高橋にしか滑れない革新的な作品だった。

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「僕も限りある人生悔いのないように!」