では、そんな近年のツアーで、長年第一線で活躍しているプロはどれほどいるのだろうか?

 まず真っ先に名前が挙がるのは上田桃子だろう。現在35歳の上田は、2005年にプロテストに合格すると2007年に5勝し最年少賞金女王の座に就いた。1986年生まれの上田は当時21歳。まさに今の“○○世代”と形容される選手たちと同じ年代だった時に横峯さくら、古閑美保といった強豪を退けトップに君臨したわけだ。

 翌年から米ツアーにチャレンジした上田は、6シーズンを米国で過ごすと米ツアー制覇こそなかったが、一時帰国した国内の大会で勝利を積み重ね、2014年から再び主戦場を国内に。2014年、2017年、2019年と2勝ずつし昨年も優勝すると、今季の富士フイルム・スタジオアリス女子オープンでツアー通算16勝目をマークした。

 これだけ若手が台頭する中で、プロ入り17年目(2021年)に賞金ランク10位となり、18年目にして優勝を手にすることは並大抵の努力では成し遂げられないことだろう。昨年結婚しメンタル面も充実しているだろうが、これまで日米で培った経験値は若手プロでは得られないもので、今季もまだまだ勝ち星を伸ばしそうな気配がある。

 全美貞(韓)も新陳代謝が著しいツアーの中で息の長い選手の一人といえる。プロテスト合格は2006年で現在39歳。2006年にツアー初Vを飾ると、2012年には賞金女王となりこれまでに通算25勝を記録している。

 最後の優勝は賞金ランク9位となった2017年だが、それ以降も賞金ランクは20位台と安定した成績をマーク。当時のライバルたちがツアーの舞台から姿を消していく中で、ベテランとしてハイレベルなゴルフを披露してくれることはツアーの宝と言えるだろう。

 同じく韓国の申ジエも、長くトップでプレーを続けている選手だ。2010年台前半までは米ツアーを主戦場としてプレーし、2010年には世界ランクトップに君臨。2014年から国内ツアーに戦いの舞台を移すと、昨年まで毎年勝ち星を挙げ、これまで通算26勝と、“○○世代”の高い壁となっている。

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