広島の末包昇大
広島の末包昇大

 3年連続Bクラスに低迷している広島。2016~18年にリーグ3連覇と黄金時代を築いた数年前が「過去の栄光」になりつつある。覇権奪回を目指す就任3年目の佐々岡真司監督だが、開幕前から「新4番」の起用法に疑問の声が上がっているという。

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ドラフト6位の末包昇大を春季キャンプの紅白戦、練習試合を含めて4番で起用し続けてきました。社会人の名門・大阪ガスで4番を務めた和製大砲ですが確実性に課題があり、プロの変化球への対応力はまだまだ。正直4番で起用するのは荷が重いと感じたのですが、佐々岡監督は4番から外さず辛抱強く起用してきました。相手球団から見れば、下位打線を打つ林晃汰の方が怖い。今の時期だから試していると言えますが…。末包は真面目な性格なので潰れてしまわないか心配ですね」(スポーツ紙デスク)

 25歳の末包は体重110キロの恵まれた体格からパワフルな打撃が魅力の長距離砲だ。25歳という年齢でプロ入りしていることから、1年目から勝負の年となる。チームにとっても和製大砲がブレークしてほしい思いがある。侍ジャパンでも4番を務めた鈴木誠也がポスティング・システムで昨オフにメジャー挑戦を決断。新たな4番として、成長著しい林、今月12日に来日することが発表された新外国人のライアン・マクブルームが予想されるが、佐々岡監督は林を4番に一度も入れることなく、末包をオープン戦に8試合連続4番で使い続けていた。

 なかなか結果が出なかった末包だったが、9日の阪神戦で4回1死から右翼に二塁打を放ち、17打席ぶりの安打をマーク。松山竜平、坂倉将吾の1軍合流で、11日の日本ハム戦は今春の実戦で初めて4番から外れた。「7番・右翼」でスタメン出場すると、2回2死から左翼線二塁打、4回1死一、二塁の好機でも右中間に2点適時二塁打と復調の兆しが見えている。4番起用は主力が戻ってくるまでの「期間限定」だったかもしれないが、指揮官の期待が高いことは間違いない。

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