神戸の三浦淳寛監督
神戸の三浦淳寛監督

 2月18日に開幕した2022年のJリーグ。まだ開幕から約3週間が経とうという段階ではあるが、開幕ダッシュに躓くとともに、早くもJ2降格の危険性が漂うチームがある。

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 ACL組の前倒し日程と新型コロナウイルスの影響による試合延期によって消化試合数にバラつき(2試合~5試合)があるために順位表を見るだけでは非常に分かりにくいが、3月7日時点で未勝利なのは、札幌、広島、鳥栖、福岡、神戸、C大阪、湘南の7チーム。その中で大きく躓いたと言えるのが、リーグ戦5戦未勝利の神戸だ。

 開幕戦で名古屋に0対2で敗れると、続く浦和戦(2対2)、福岡戦(0対0)と引き分けが続き、横浜FM相手には0対2と3度目の無得点試合で敗戦。そして3月5日の広島戦ではイニエスタの今季初ゴールで1点を先制するも、後半37分に同点弾を許して1対1のドロー。現在、勝点10でトップに並ぶ横浜FM、川崎と同じ5試合を消化しながらも、3分2敗の勝点3で18チーム中の16位に沈んでいる。昨季3位のチームには国内外のタレントが揃い、ネームバリューだけを見るなら間違いなくJリーグトップだが、個人技頼りの戦いは昨季から進歩なし。現状、選手起用、選手交代も含めて、三浦淳寛監督が豊富なタレントが使いこなせていない印象が強く、FW武藤嘉紀が故障で長期離脱するアクシデントにも見舞われた。

 もちろん「たかが5試合」を終えただけだが、「されど5試合」でもある。昨季J2降格となった4チームの開幕5試合の成績を振り返ると、徳島(2分3敗)、大分(1勝2分2敗)、仙台(1分4敗)、横浜FC(5敗)で白星を挙げたのは大分のみ。2020年の下位3チームを見ても、清水(5敗)、仙台(1勝3分1敗)、湘南(1分4敗)、2019年も湘南(3勝2敗)、松本(1勝1分3敗)、磐田(3分2敗)。2019年に16位となった湘南以外はすべてのチームが開幕ダッシュに失敗している。戦力は揃っているが、過去には“予想外のJ2降格”となったチームも多くあり、2012年のG大阪(1分4敗)、2005年の東京V(1勝2分2敗)、1999年の浦和(1勝3分1敗)と例外なく開幕で躓いている。同じことが今季の神戸にも当てはまるだけに“嫌な予感”はする。

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他にも開幕で苦しむチーム