「もし、ドンバスをロシアが取り戻さなかったら、そこにアメリカやヨーロッパの軍がやって来てベース(軍事基地)を置いてしまう。ロシアに近いところだから、ロシアがすごく危なくなる。取り戻さないとロシアが弱くなるから、守らなければいけないのです」
彼女のウクライナ人の友人はどう言っているのだろうか。
「ロシアは民間人を攻撃しないという約束を、本当に守るのか、守らないのか、すごく心配だと言ってました。いろいろ、心痛いが、私たちに何かできるわけではない。今は信じるしかないのです」
そしていまの心境をこう吐露した。
「今はロシアに帰りたい。いろいろ心配なので」
岸田文雄首相は25日、ロシアへの追加制裁として「ロシアの個人・団体の資産凍結と査証(ビザ)発給停止」を表明した。
「だから、ロシアと日本を行ったり来たりできない。みんな祈っています。早く戦争が終ってほしい。みんな戦争が怖い」
西側諸国はロシアを一斉に非難。ドンバス地域の平和維持を口実に国際ルールを無視して隣国領土を侵害したと報じている。ロシア人であるこの女性の言葉は、ロシア政府側の言い分を代弁しているだけかと思われるが、実は報じられているほど簡単な構図ではないようなのだ。
今度は、日本に住むウクライナ人たちの言い分を聞いてみた。
ウクライナ人の40代の女性は言葉少なに、こう言った。
「プーチンが悪い。私たちの国に戦車で入った。プーチンは頭おかしくなったんじゃないか」
しかし、ロシアという国が悪いわけではないという。こうも続ける。
「ロシアが悪いんじゃなくて、プーチン大統領とウクライナのゼレンスキー大統領と2人が悪い」
ロシアのウラジオストック出身の女性は、ロシアとウクライナ、両方の土地で育った。
「私のお母さんはウクライナのキエフで生まれました。私も子どものころはキエフにいたけど、お母さんの仕事の都合でロシアへ渡った。ロシア、ウクライナの両方に家族もいるし、私は1万円、2万円、3万円と仕送りしてます」