弁当の時は、電子レンジで温めるのだが、いつも行列ができるという。
「かなり密集になりますね。弁当を電子レンジで温めると、熱で容器が曲ってしまう。コンビニ弁当でもこんなことにならない。よけいに体に悪いんじゃないか、大丈夫かと心配になりました」
Aさんが「大変な思いをした」と訴えるのは、昼食のメニューがカレーだった日だ。Aさんは「恐怖のカツカレー」と説明をつけて写真を送ってくれた。
「私はオミクロン株に感染したのだろうと思いますが、喉がとてつもなく痛く、高熱でした。そんなときにカツカレーが出され、一口食べると割れたガラスが喉に突き刺さるような感じでした。いやはや、殺す気かと思った。カレーの大半を残しました。カツカレーは私が宿泊療養中、2度ありましたね。全体的にメニューは揚げ物が多く、私のような50歳代という年齢だと食べるのが辛かった」
宿泊療養中、Aさんの元に親しくしている大分県の宿泊療養者から弁当の写真がSNSで送信されてきた。
「大阪府と違い、まさに1500円の価値がある弁当だと思った。知人も美味しいとメッセージを送ってきました。大阪府と大分県、この差はなんなんやろと疑問を感じた」
東京都では宿泊療養者に週に1度、全国の駅弁が提供される。1月に宿泊療養したBさんは「深川めし」が提供されたと話す。
「あっさりした深川めしは本当にうまいと思いました」
大阪府は宿泊療養者に対し、症状の悪化にはオンライン診療を実施している。Aさんがホテル内にいた看護師と話したところ、「オンライン診療は話せない、歩けない、咳で眠れないというくらいひどくならないと、受けられないと言っていた。コロナに感染して発熱、咳などの症状があって不安というレベルでは相手にしてもらえない。
オンライン診療を頼りにしてはいけないなとその時、感じました。また、看護師やスタッフに質問しようとするとパーテーションがあるにも関わらず、『後ろ向いて、正面を見ないで話してください』ときつく言われた。宿泊療養は看病が必要な人は無理で基本的に自助なのに、質問すらするなと言わんばかりの対応には、ムっとしました」