大阪市北区曽根崎新地1の8階建ての雑居ビル4階にある心療内科クリニックで17日午前、起きた火災で、大阪府警は目撃者らの証言から放火の疑いがあるとして捜査本部を設置。緊急配備を敷くなど捜査にあたっている。
大阪市消防局によると、28人が負傷し、うち27人が心肺停止。大阪府警によると、このうち24人の死亡を確認したという(同17時現在)。男性が14人、女性が10人だった。
「クリニックに通院している60代の男性が午前10時頃、紙袋を下げてクリニックにやって来て、油を撒いて放火したようだ。クリニックのフロアはかなり激しく燃えている。クリニックは4階にあり、ビルは入口からすぐ左手にエレベーター、階段があるが、通路はあまり広くない クリニックの入口近くで火が放たれ、煙がひどく、患者やスタッフは逃げることが困難だったとみられる。放火したとみられる男性も搬送されたようだ」(捜査関係者)
消防によると、煙を吸ったため、助け出したが、「息ができない」「胸が苦しい」などと呼吸できない人が多くおり、応急処置を講じたという。クリニックがある4階のフロアなど、20平方メートルを焼損し、およそ30分後に消し止められたという。
通院していた20代の女性はこう話す。
「今週も火曜日にきた。先生もスタッフも優しくていい人ばかりです。無事か心配だ。クリニックはエアコンでストーブなど火の気はまったくない。ただ入口が一つで受付のすぐ前。そのあたりから火が出れば逃げ道がなかったように思う」
前出の捜査関係者によると、火元となったクリニックは最近、トラブルを抱えていたという情報もある。
この心療内科クリニックに通院していた50代の女性患者はこう話す。
「4年くらい通っています。火事になっており、驚いた。私が過去に通っていた心療内科は先生が冷たい感じ けどここの先生は患者に寄り添い、距離感が上手でいい先生でした。薬ばかりの治療ではなく、患者目線で接してくれた。診療内科ですがアルコール依存症など、幅広く対応されていた。社会復帰に当たってはリワークという講習のようなものも週2回ほどされていた。すごくいい先生です」