現役時代の中山大氏(写真・新潟アルビレックスBC提供)
現役時代の中山大氏(写真・新潟アルビレックスBC提供)

 爪ケアが運動能力を向上させパフォーマンスを高める。

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 新潟在住の元独立リーガー中山大氏が新たな試みをおこなっている。爪への注意を払うことでアスリートの可能性が広がり、子どもたちの成長に大きな効果があるという。

「ボールは指と爪にかかりますから」

 独立リーグ・アルビレックス新潟BCで2年間投手としてプレーした中山氏。現役時代の経験から重要性を感じた爪に対しての取り組みを語ってくれた。

「『指先=爪』という感覚を大事にすべきです。人によってボールにかかる爪の長さや深さは異なります。自分に適正な爪の状態を理解し長さをキープすることが大事。例えばスライダーやフォークボールを投げる投手はスピンをかけたり指で挟むので割れることが多い。爪が割れると技術、精神の両面に影響します」

 中山氏は中学から投手を始め、新潟江南高3年時にはチームを牽引し春優勝、夏ベスト8の成績を収めた。新潟大でも野球を続け卒業後は社会人・バイタルネットで4年間プレー。06年に新潟アルビレックスBCへ球団職員として就職したが1年後にトライアウトを受け現役復帰した。2年間のプロ生活で通算14勝16敗4セーブを挙げた後は投手コーチとして同球団に3年間在籍。13年からは富山サンダーバーズで投手コーチを3年間務めた。

「深爪まで短く切っておけば良いと思っていた。重要性に気付いたのはカットボールを投げ始めた社会人から。リリース時に爪が当たる感じで投げていたが、多少の長さがないと当たりが弱く押し込みが足りなかった。逆に長過ぎると負荷がかかり過ぎる。微妙な違いで曲がり方も変わる。細かい部分まで気にするようになりヤスリを持ち歩きケアを始めた」

 独立リーグ時代にプロとしての意識の持ち方を学んだのも大きい。入団当時はリーグ自体のレベルが高くなく強豪大学のレギュラークラスが入ってくることもない。しかし独立とはいえプロということで話題になり勘違いする選手もいた。そこへ元NPB出身者が監督、コーチとして同リーグに関わるようになり意識改革が徹底された。細部にこだわることがパフォーマンスレベルを向上させることを痛感した。

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