辞任会見で頭を下げる木下富美子都議
辞任会見で頭を下げる木下富美子都議

 22日夜、木下富美子都議(55)は東京都庁で緊急会見し、議員辞職を表明した。会見は数々の疑問も残る結果となったが、現役都議からは「木下さんは小池劇場に利用されただけ」という声も聞かれた。

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 辞任会見のなかで、木下氏は小池百合子都知事とのやりとりについてこう話した。

「10月半ばに小池都知事からご心配のご連絡をいただきました。『大丈夫、心配しているよ』ということでした。その時点では、議員を続けたい気持ちであることもお伝えをしつつ、この間、進退についてはご相談を申し上げて参りました。(中略)昨日より(小池氏が)公務復帰というタイミングで、知事室に来るようにという話を頂きまして、かねてより相談していた流れの中で、本日(辞職を)決断した旨、ご報告させて頂きました」

 電話で「議員を続けたい」という木下氏に対して、小池氏は何と返答したかについて問われると、

「それは私の口からは……本日、やはりお話していいこと、いけないこと、ございますので、知事の方にもし、可能であれば聞いて頂くなり、知事がご判断になればお話になると思います」

 と明言を避けた。

 木下氏は7月の再選後、4カ月間議会を欠席し続けたが、7月以降に受給した3カ月分の議員報酬約190万円は、すでにNPO法人などに寄付したとしている。だが、11月15日には11月分の新たな議員報酬が支払われた。その分や冬のボーナス120万円も寄付するのかを問われると、曖昧な受け答えに終始した。

「仕事をしたくて出てきたということも踏まえ、何度も実は申し上げたいこととしては、議員の仕事は議会に出ることだけではございません。議会へ出てくるためのさまざまな準備も含めまして、それは進めておったこともあります」

 記者から「つまり既に支払われている11月の報酬についてはそのまま受け取るということか」と突っ込まれると、「そこは検討したいということでございます。現段階では(受け取らないという決断は)しておりません。受け取らないことも踏まえて、どの形がよいのかそこは丁寧に考えていきたいと思っております」と言葉をにごした。さらに「ボーナスも受け取らないのか」と聞かれると「そこまでのことはまだ申し上げておりません」と述べた。

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上田耕司

上田耕司

福井県出身。大学を卒業後、ファッション業界で記者デビュー。20代後半から大手出版社の雑誌に転身。学年誌から週刊誌、飲食・旅行に至るまで幅広い分野の編集部を経験。その後、いくつかの出版社勤務を経て、現職。

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会見で明らかになった木下氏の「ウソ」