清宮と話をする日本ハムの新庄監督(左)
清宮と話をする日本ハムの新庄監督(左)

 沖縄県国頭村で行われた日本ハムの秋季キャンプ。視察に訪れた新庄剛志新監督が吉田輝星、清宮幸太郎ら若手選手、首脳陣とマンツーマンで話し込む姿が見られた。

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 「派手なファッションや発言がメディアに取り上げられますが、選手のプレー、内面を知ろうとする姿勢が凄く見えました。今回の監督就任でテレビ各局の取材に引っ張りだこでしたが、野球評論家の中畑清さんのインタビューで選手への声のかけ方、赤星憲広さんには走塁の極意を逆質問していました。現役を引退した理由を聞かれた藤川球児さんが『僕の話になっている』と苦笑いを浮かべると、『大事な事よ。俺も勉強したいし』と話していましたが本音だと思います。年上年下関係なく、貪欲に学びたいという姿勢が凄い。日本ハムを本気で変えたいという思いがひしひし伝わってきました」(スポーツ紙デスク)

 新庄監督は、従来の「監督像」を破壊している。就任会見では「優勝なんか、一切目指しません、優勝、高い目標をもちすぎると選手っていうものはうまくいかないと僕は思っているんですよ。1日1日、地味な練習を積み重ねて、シーズン迎えて、それで何気ない試合、何気ない1日を過ごして勝ちました。勝った、勝った、勝った、勝った。それで9月あたりに優勝争いをしてたら、さあ!優勝目指そうって、そこの気合いの入り方っていうものが違うと思うので、そういうチームにしていきたいなと。優勝なんかは目指しません」と発言。

 会見をいったん終えて再び戻ってくると、「言い忘れてましたが、球団から10年契約結んでほしいって言われたんですけど、僕1年契約ずつなんで、はい。1年1年を勝負していきたい。複数年契約をすると甘えが出てくるんで、いいことは1つもないんですよ。だから1年1年の勝負。来年こういう場所にいないかもしれないっていうね。それを伝えたかったです」と明かした。

 日本ハムは最近5年間で4度のBクラスと低迷している。世代交代の時期を迎え、他球団に比べて投打で戦力が見劣りしているのは否めない。普通の監督なら長期契約で腰を据えてチーム作りをしたいと考えるだろう。だが、新庄監督は違う。選手と同様に退路を断ち、1年勝負を選択した。自身に誰よりも難しいハードルを科していることが、覚悟の表れだ。

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