パドレスのフェルナンド・タティスJr. (c)朝日新聞社
パドレスのフェルナンド・タティスJr. (c)朝日新聞社

 11月に入り、日本でもアメリカでも戦力外通告や注目フリーエージェント(FA)の情報などが飛び交い、ストーブリーグを実感する時期となってきた。特に大型契約が確実な注目FAたちの去就はオフの目玉だが、やはり気になるのは彼らとの大型契約が果たして成功するかどうかだろう。

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 ただし大物FAとの長期契約がハイリスク・ハイリターンなのは今や周知の事実。ここ10年ほどの間にもMLBではジャコビー・エルズベリー外野手(7年1億5300万ドル)やクリス・デービス一塁手(7年1億6100万ドル)らが契約後に全く期待に応えられず、不良債権化したことは広く知られている。

 もちろん中には費用対効果に見合ったと言える長期契約選手もいる。2015年にナショナルズと7年総額2億1000万ドルで契約したマックス・シャーザー投手は契約期間中にサイ・ヤング賞を2回獲得し、19年には球団史上初のワールドシリーズ制覇にも貢献した。契約最終年だった今季途中にドジャースへトレードされたが、7年間で大きな故障もなく99勝47敗は文句なしと言っていいだろう。

 14年に8年総額1億3500万ドルでブレーブスと契約延長したフレディ・フリーマン一塁手も、契約最終年の今季までの8年間は打率3割、203本塁打、661打点をマーク。昨季はナ・リーグMVPに輝いたほか、オースターに4回、ゴールドグラブ賞1回、シルバースラッガー賞2回を獲得した。さらにリーダーとしてチームをまとめ、今季は自身初のワールドシリーズ制覇を経験した。

 とはいえ、やはり契約期間が30代後半に差し掛かるケースの長期契約は晩年に失速するリスクは高い。今世紀を代表する強打者のアルバート・プホルス一塁手やかつての三冠王ミゲル・カブレラ内野手、レッズ生え抜きの好打者ジョーイ・ボット一塁手らでさえ年齢からくる衰えは隠せなくなっていた(30歳からの7年契約を全うしたシャーザーは例外中の例外)。

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長期契約の大物は時に“足かせ”に…