ホテルに駆けつけて会見をサポートした佳子さま(C)朝日新聞社
ホテルに駆けつけて会見をサポートした佳子さま(C)朝日新聞社

 一方でこの日の記者会見は、国民の期待と噛み合わない部分もあったような印象だ。

 「国民の納得と祝福が広がらない理由」として、小室家の金銭トラブルや報道された件についての説明を求めた4問目の質問に対して、眞子さまが準備した文書でこう回答した。

<この質問は、誤った情報が事実であるかのような印象を与えかねない質問であると思います。このような質問に会場で口頭でお答えすることを想像すると、恐怖心が再燃し心の傷が更に広がりそうで、口頭で質間にお答えすることは不可能であると思いました>

 国民に対して説明をして、納得してもらおうというよりは、「正しいことを知って欲しいという切なる願い」にこだわった印象であったと、井上医師は言う。

 異論もあるだろう。しかし、「全国民が注目する緊張感のなかで、よくあそこまで頑張って説明した」と、話す。

ただ、残念であったと感じるのは、会見に対する対応のマズさだった。

「前日の夕方に急きょ、質問を受ける記者会見から文書回答に変更した点は、国民の期待が大きかった反動もあって、一部の不満を招いてしまった。そもそも、眞子さんの複雑性PTSDであること、そして記者会見を行うと公表した時点で、症状によっては会見を中止したり質疑応答はない形への変更もあり得ると注釈をつけるべきだったと思います。この疾患は、ささいな刺激で症状が悪化する危うさを含んでいるのですから」(井上医師)

 会見場となったホテルには佳子さまも駆けつけ、ふたりをサポートした。「異例」の結婚を乗り越えた元プリンセスとその夫は、新しい人生をスタートさせた。

(AERAdot.編集部 永井貴子)