日本代表の森保一監督 (c)朝日新聞社
日本代表の森保一監督 (c)朝日新聞社

 1998年のフランスW杯以来6大会連続出場している日本代表が、予選敗退の危機に瀕している。

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  初戦でオマーンに0-1に敗れたのに続き、3戦目のサウジアラビア戦も後半にMF柴崎岳のバックパスがかっさらわれ、アル・ブリカンの独走を許して先制点を献上。攻撃陣もFW大迫勇也が決定機で決められないなど相手ゴールをこじ開けられず、0-1で敗れた。試合後に選手たちは茫然とした表情を浮かべていた。3試合を終えて3試合で勝ち点3は過去最低の数字だ。

  日本の危機的状況に、海外メディアも注目している。米国のスポーツチャンネル「ESPN」は、「日本はこの20年でアジア最高のチームのひとつという認識だったが、次の大会の本戦出場を逃すかもしれないピンチを迎えている」と報じた上で、「普段起用する選手たちに対する森保監督の揺るぎない信頼は、一部の選手がベストのコンディションでなくてもスタメンで起用されていることを意味する」、「セルティックに加入してから大きなインパクトを残しているFW古橋亨梧がベンチスタートの状況が続いていることも不可解だ」と森保監督の采配に疑問を呈している。

 「森保監督の特徴としてスタメンの選手を固定する傾向にある。チームがうまくいっている時はそのやり方で結果が出るが、チームが下降線をたどると立て直せない。大迫や柴崎はこの最終予選で精彩を欠くプレーが目立った。左サイドで持ち味を発揮できていない古橋を1トップに据え、柴崎に代えてボランチでMF田中碧やMF守田英正を使った方が機能したと思います。結果論になってしますが、試合中の采配も後手、後手を踏んでいる。ベンチに能力の高い選手はそろっているので、もったいなく感じてしまいますね」(サッカー担当記者)

  報道によると、日本サッカー協会の田嶋幸三会長はサウジアラビア戦の試合後、「3試合が終わっただけで7試合が残っている。ここからが本当に負けられない試合」と話し、「最後にW杯のチケットを取れるように日本全体でサポートしていきたい。下を向くことなく、気持ちを切り替えて、次の試合に向けて準備をして欲しい」と森保監督の更迭に否定的な見解を示した。今月9日に日本協会の臨時評議員会で田嶋会長の信任投票が実施される。過半数の信任を得れば会長予定者に選任され、来年3月に4期目を迎えることになるが、世論の批判は高まるばかりだ。

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