韓国の文寅在大統(C)朝日新聞社
韓国の文寅在大統(C)朝日新聞社
 朝鮮半島を巡る懸案材料は韓国の元徴用工訴訟だけではない。北朝鮮も9月に入り、ミサイル発射の動きが活発化になっている。11、12日には新型長距離巡航ミサイルの発射実験を実施。15日にも日本海へ短距離弾道ミサイル2発を発射し、石川県沖の日本のEEZ内に落下したとされる。さらに、28日早朝に短距離ミサイルと推定される飛翔体1発を発射。日本政府は警戒を強めている。

「韓国の文在寅大統領が国連総会の演説で、朝鮮戦争の終結宣言を提案したのに対し、金正恩朝鮮労働党総書記の妹、金与正党副部長は南北の関係改善に前向きな談話を発表しています。ミサイル発射の一連の動きは韓国、米国の様子を探るとともに、総裁選が行われている日本政府がどんな反応を示すのかを探ることを意図していると思います。韓国、北朝鮮、中国に対してどのような外交姿勢で臨むか。総裁選は一般国民に選挙権があるわけではなく、党所属の国会議員と全国の自民党員などによる投票で決まりますが、世論の風向きも投票の結果に影響するでしょう」(前出の政治部記者)

 29日に投開票が行われる総裁選は、4人の候補者が票固めへラストスパートをかけている。接戦が予想される中、勝利の女神がほほ笑むのは誰だろうか。(松木歩)