「詰め込み」「偏差値」というイメージが強い中学受験。「受験のための勉強は子どもの将来に役に立つの?」「難易度より、子どもを伸ばしてくれる学校を選びたい」といった悩みを抱えている親御さんも増えています。

MENU ■慶應中等部は問題の難易度はそれほど高くない ■「うちの子、偏差値がいくつなんです」では判断できない ■成績表から偏差値を切り取ってしまってもいい

 思い切って「偏差値」というものさしから一度離れて、中学受験を考えてみては――。こう提案するのは、探究学習の第一人者である矢萩邦彦さんと、「きょうこ先生」としておなじみのプロ家庭教師・安浪京子さんです。今回は、「偏差値」に関する相談にお二人が答えます。

【相談2】

安浪:まず知っておいてほしいのは、そもそも偏差値って大手塾が作っているものがほとんど、ということですね。だから同じ学校でも塾によって偏差値が変わってきます。

矢萩:そうです。偏差値って結局は母集団の中で自分がどれぐらいの位置にいるかを表した数値でしかない。偏差値50なら、その集団の中でだいたい真ん中にいる、ということです。

安浪:だから、どの模試を受けるかでも、偏差値は全然違ってきますよね。

■慶應中等部は問題の難易度はそれほど高くない

矢萩:例えば同じ子が首都圏模試とサピックスの模試を受けたら10~15は平気で違ってくる。サピックスは難関校を目指す子が多く集まっているので、他の塾の模試に比べていい偏差値が出にくいんです。

安浪:質問者さんのように地方ご出身で、高校受験しか経験のない方が勘違いしがちなことは、中学受験の偏差値を高校受験の偏差値のように見てしまうこと。中学受験って小学生のトップ層が競争している世界で、とてもハイレベルなんですよね。高校入試や大学入試と同じ問題が出題されることも珍しくありません。だから中学受験での偏差値50が高校受験での60に該当したりします。

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江口祐子
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