巨人に敗れ、引き揚げる阪神の選手たち (c)朝日新聞社
巨人に敗れ、引き揚げる阪神の選手たち (c)朝日新聞社

 首位を走るチームの面影は見られなかった。阪神が19日の巨人戦(甲子園)で1-8と大敗。「伝統の一戦」最後の甲子園で精彩を欠き、広島に勝ったヤクルトが1.5ゲーム差に接近。巨人との差も2.5ゲームに縮まった。

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  力負けならば仕方がない。だが、スポーツ紙記者は「矢野監督が巨人を必要に恐れているように感じた」と指摘する。

  「阪神が初回に先制したが、無死二塁で中野拓夢に簡単にバントさせて1点を取りにいった。今年の菅野智之は不安定なのでもっと揺さぶって大量得点を狙っても良かったと思います。また、2回にガンケルが7失点のビッグイニングで勝負が決まってしまいました場面も、1点リードの2回、1死二、三塁で前進守備にした采配に疑問が残りました。中間守備なら内野ゴロで1点は失いますが、2死になって次の打者は菅野なので最少失点に切り抜けられる可能性が高かった。1点を失うのを怖がるあまり、大量失点で試合が壊れた。菅野を過剰に意識しすぎて自滅したように感じました」

  今月3日からの巨人3連戦でいずれもビハインドの試合展開を2勝1分けと粘り強さを見せて勢いに乗るかと思われたが、その後の10試合で計23得点。1試合平均2.3得点と貧打が深刻だ。14日のヤクルト戦から糸原健斗を4試合連続3番でスタメン起用し、マルテを4番に据えているが爆発力がない。新人左打者最多記録の23本塁打をマークした佐藤輝明は打撃不振でファーム調整している。

  他球団のスコアラーに阪神打線はどう映っているだろうか。

  「佐藤がいなくても阪神打線は警戒しなければいけない選手が多いです。ただ糸原の3番は怖さがないですね。直球に強い巧打者ですが本塁打の可能性が低い打者(今季1本塁打)なので、投手は大胆に攻められる。矢野監督は1番・近本光司、2番・中野、3番・糸原でチャンスメークして4番以降で還すことをイメージしているかもしれませんが、個人的には3番・マルテ、4番・大山悠輔の並びの方が嫌ですね。大山は配球の読みに課題が残りますが、今月に入って状態が上がってきている。1歩間違えれば長打の危険性があるので厄介ですよ。あとロハスも日本野球へ対応しつつあるので、今のようにスタメンで出たり出なかったりの起用法はもったいない。サンズの状態が悪いのでロハスの方が脅威ですね」

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