サッカー日本代表の主将・吉田麻也 (c)朝日新聞社
サッカー日本代表の主将・吉田麻也 (c)朝日新聞社

 いよいよ始まったカタールW杯へ向けたアジア最終予選。7大会連続の本大会出場を目指すサッカー日本代表は、9月2日の第1戦でオマーンに0対1の黒星スタートとなった。同7日の第2戦・中国戦で1対0の勝利を収めたが、今後へは収穫よりも不安が募る戦いとなった。

 その感覚は、主将DF吉田麻也も同じだ。「勝ち点3を取りましたけど物足りないところもたくさんあった。もっとパフォーマンスを上げないと苦しい試合になる」。確かに選手個々のフィジカルコンディションは5日前から格段に向上し、中国の5バック戦術もあってボール支配率は65%。守備での危険なシーンは皆無だった。だが、奪ったのはMF伊東純也のドリブル突破からのクロスにFW大迫勇也がカンフーキック的に合わせた1得点のみ。チームとしての形、3人以上が連動した攻撃、そして監督の意図は相変わらず見えず。相手が本来の4バックに戻した後半は、逆に日本が腰の引けた戦いを続け、選手交代も消極的。スコア通りの“辛勝”と言える試合だった。

 そして日本代表は来月、10月7日にアウェーでサウジアラビア代表、同12日のホームでオーストラリア代表と、グループBで2連勝スタートを切った2チームと戦う。日本は2試合を終えて1勝1敗、勝点3の4位。ここで連勝できれば一気に首位に立てる可能性があるが、9月のままの森保ジャパンだと、その確率は非常に低いと言わざるを得ないだろう。

 中東の実力国であるサウジアラビアは、固い守備からのカウンターとサイドからクロスが武器で、日本が苦手とするスタイル。今予選では、第1戦でベトナム相手に3対1の勝利で好発進を決めると、第2戦では日本に勝利したオマーンを1対0で下した。中国戦を空調の効いた快適なスタジアムで戦った日本は、今度は10月でも日中は30度を超える気温と高い湿度の中で戦うことになり、さらにエネルギッシュな動きで存在感を示していた伊東が累積警告で出場停止。過去、日本はサウジアラビアとの国際Aマッチ通算対戦成績は9勝1分4敗だが、中立地ではなく敵地での試合は2006年9月3日のアジア杯予選、2017年9月5日のロシアW杯予選と、ともに0対1の敗戦で2連敗を喫している。

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オーストラリア戦はホームなのにハンデ?