「もっと早く言ってくれたらよかったのに」

 そこで初めて、周りの人は受け入れてくれる姿勢ができていたのに、周りを全く信用できていなかったのは自分だったということに気づいたのです。

 そのときに心に決めました。「もう、自分の気持ちに嘘はつかない!」ということを。

■新しい自分になって、「成功体験」を積もう!

 なぜ、HSPさんは自分の気持ちを抑え込んで、本音を言うことができなくなってしまうのでしょうか?

 それは敏感なゆえに、「刺激を受けないようにしよう」とするからです。

 例えば、子供の頃に無邪気に本音を言ったら、お父さんから怒鳴られてしまった経験があるとしましょう。そのときに、「自分が思っていることを素直に表現すると、怖い思いをするんだな」と学習します。そして、「相手が喜ぶようなことだけを言おう」「怒られないように本音は言わないようにしよう」と決意します(どんな決意をするかは、その子の個性が出ます)。

 こういった、幼い頃に無意識に決意したことを、「幼児決断」といいます。

 私たちにはそれぞれ、自分が生き残っていくためにとった「戦略」があるのです。でも、大人になってからも同じ戦略のままだと、生きづらくなってしまうことがあります(もちろん、幸せに生きていくために好ましい戦略もあります)。

■過去の自分を手放す

 子供の頃にした決意を、今のあなたが幸せになるように、新たに決意しなおしていきましょう。誰でもできる簡単な方法を紹介します。

1.「本音を言うと、◯◯になる」と紙に書き出す
(例:本音を言うと嫌われる、怒られる、攻撃される、誰かを傷つける)
時間はかけず、思いついたことをサクサクと書いていきます。

2.「それはどうして?」「何がきっかけで?」と深掘りしていく
 (例:本音を言うと嫌われる → 小学生のとき、友達に嫌われたから)

3.書き出した紙をビリビリと破って捨てて、これまでの信念を手放す

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本音を話す際に注意するポイントは?