「タラレバになるが、2年延期だったら日本国内にワクチンが行き届いて、コロナが収束していた可能性が高い。観客を入れて開催もできたのでしょう。なぜリスクを冒して1年延期にしたのか。アスリートからすれば2年延期は厳しいと感じたかもしれないが、安心・安全の五輪を提唱するなら2年延期にするべきだった」

 SNS、ネット上では、安倍氏の五輪開会式出席見送りに辛辣なコメントが多い。

<2年以上の延期か中止をという識者や国民の声を無視して自分の利益のためだけに1年延期を決め、しかも『コロナに打ち勝った証としてのオリンピック開催』を世界に約束していたのに、開会式からも逃げ出すとは心底卑怯だ。現在の東京オリンピックの惨状は、自公政権の失政の結果ではあるが、開会式からも逃げ出したことはこの人物がその責任の一端さえも引き受ける気が無いことの証といえるだろう>

<安倍氏は叩かれる匂いを嗅ぎつけると、一目散に逃走する癖がある。見通しは難しかったとは言え、自身が主張した『有観客の完全な形』でもなければ、当然『コロナに打ち勝った証』でもない。そこに触れられたくないのだろう。ストレスが高じると持病にも良くない>

 安倍氏の参加見送りで存在感を増しているのが、大会組織委前会長の森喜朗元首相だ。「名誉最高顧問」という肩書で、大会期間中の海外要人の接遇役などを務める案が検討されている。森氏は23日の五輪の開会式には「功労者」として出席する予定だ。21日にはわざわざ福島県営あづま球場(福島市)に足を運び、ソフトボール競技を視察している。ただ、森氏は「女性蔑視発言」で会長を辞任しただけに、国内外で強い反対論も出ている。
 
 23日から開幕する東京五輪。世界はどのような思いで見つめているだろうか。(安西憲春)