古橋はテレビ東京スポーツのYouTubeチャンネル内でこう発言している。

「お手本になった。盗めるものは盗んだ」

 移籍時から共にプレーをするイニエスタ、同じくFCバルセロナから神戸に移籍したセルジ・サンペールとは相性の良さを発揮。彼らの絶妙なパスから古橋がゴールを決める黄金パターンは、神戸サポーターたちを沸かせた。

 イニエスタは古橋が相当気に入っているようで、自身の「イニエスタTV」にゲストとして呼んだり、移籍壮行会でも「正直僕たちにとって悲しい日。キョウゴ(古橋)という大事なチームメートが、シーズンが残る中で去っていくことで悲しい気持ち。同時に彼が自分の夢をかなえるために、成長を続けるためにヨーロッパの舞台で挑戦できるということは本当にうれしいこと。クラブ、そして日本を代表する選手としてこれからも頑張っていってほしい」とエールを送った。

 1週間ほど前にもイニエスタは、スペインの有名YouTuberの番組にゲスト出演し、「(当時は移籍が確定してなくうわさの段階だったが)彼はヨーロッパでも飛躍できるし、それだけの資質を持っている。でも、古橋が抜けるとしたら僕は困るよ」と苦笑交じりで話していた。

 また、今回の移籍で異例なのは移籍金の高さ。今回セルティックが神戸に支払う移籍金は、約7億円とされる。日本代表とはいえ、古橋はすでに26歳。日本人有力選手が初めて欧州の舞台に挑戦する場合、20代前半くらいまでが大半だ。その際の移籍金は数千万円から高くても2~3億円程度。古橋のようにすでに26歳で、欧州のチームでまだ結果を残していない選手に対して、この金額は異例の高額といって良い。

 古橋は自分がこれまで歩んだ道を振り返って、移籍壮行会で改めてこう感謝の弁を述べた。

「大学4年の時になかなかプロのチームが決まらなくて、岐阜さんが拾ってくれて大変感謝しています。僕は運良く岐阜さんに拾って頂いて、大木さん(当時の大木武監督、現在はロアッソ本監督)に出会ってノビノビとやらせてもらったからこそ、たくさんのチームメートの支えがあったからこそ、神戸に来られました。神戸でもたくさんの指導者に指導してもらえて、たくさんの選手たちに一緒にプレーして伸びたし、たくさんのファンサポーターの皆さんが応援してくれたおかげでここまで成長できたと思うので、たくさんの人に感謝したい」

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「いろんな人に希望を与えると思う」