これを受けて、組織委員会の武藤敏郎事務総長は17日の会見で、「小山田さんが謝罪されたのを、わたくしどもも理解しました。彼は現時点で十分に謝罪し、反省をしている。我々は当初、そういうことを知らなかったのは事実だが、小山田さんに引き続きこのタイミングでありますので、貢献していただきたいと考えています」と説明。だが、この判断が火に油を注ぐ事態になっている。


 
 SNS、ネット上では「この人を起用したら世間からどんな反応があるのか。普通の人なら想像してやめようとなる。何故組織委員の人達にそれが出来ないのか。想像力の欠如というのはこれほどやべー事になるという好例。何か大きな事を動かす人達は普通の感覚を持った人達にお願いしたい(原文ママ)」、「駄目なものは駄目と示さないといけないと思う。こんなに事件が公になって、子供だって耳にしているほどだとおもう。あんなに酷いことしても、謝れば許されるんだと誤解を招く。裁判にだって、罪の重さはピンからキリまである。謝って一から始めるなんて、甘い。何もなくなってしまう罪の償いかただってあるのだから(原文ママ)」などのコメントが。

 一般紙の運動部記者はこう語る。

「SNSでの謝罪で済ませることに怒りの声が殺到するのは当然だし、組織委員会がこの謝罪コメントで幕引きを図ろうとする感覚もズレている。小山田氏のいじめ問題は、日本国内だけでなく海外からも『なぜ辞めさせないのか』と疑問の声が高まっている。政府や組織委が批判に耳を傾けない『事なかれ主義』で逃げ切ろうと考えているなら、世界からも見放される事態になることを覚悟した方が良いでしょう」

 小山田氏は19日、組織委に辞任を申し出たと自身のツイッターで明らかにした――。23日の五輪開催まであと4日。どうなるのだろうか。
(牧忠則)