巨人の捕手・小林誠司(C)朝日新聞社
巨人の捕手・小林誠司(C)朝日新聞社

 巨人・炭谷銀仁朗が金銭トレードで楽天に移籍することが4日、両球団から発表された。驚いたファンは多いだろう。33歳のベテランは開幕から1軍入りして、44試合出場で打率.188、1本塁打、7打点。メディアの間でトレードが囁かれていたのは、かつての正捕手で春先からファーム暮らしが続いていた小林誠司だった。

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 球界関係者は今回のトレードの内幕をこう語る。

「炭谷は試合に出ることに飢えていた。巨人がその意向を汲んだということだと思います。西武から18年オフにFA権を行使した時も、森友哉を正捕手に育てたい意向の球団に対し、フラットな競争を求める炭谷が他球団に移籍を望んだという背景があった。この時も楽天は炭谷を高く評価していましたが、巨人に移籍しました。巨人が19、20年とリーグ連覇を飾ったのは、縁の下の力持ちに徹した炭谷の力が大きい。主に途中出場で試合を締める役割をしていましたが、野球人である以上スタメンで正捕手を勝ち取りたいという思いが強いはず。今の巨人は大城が正捕手で固定されているので、なかなか出番がない。炭谷の野球人生を尊重して、巨人が楽天のトレードに応じたのでしょう」

 FA移籍して2年半でチームを去ることになったが、その功績は大きい。昨季は戸郷翔征が先発登板の際にマスクをかぶり、覚醒させた。経験に裏打ちされた安定感のあるリードで守護神・ビエイラの相棒でもあった。炭谷の抜けた穴は決して小さくないが、今後にこの役回りを担うのは小林になるだろう。球界屈指の強肩に加え、インサイドワークは大城を上回る。エース・菅野智之、米大リーグのサンフランシスコ・ジャイアンツを退団し、6月に復帰した山口俊も絶大な信頼を寄せる。

 SNS、ネット上では「銀ちゃん今までありがとう。出場機会を求めていたところで楽天が評価しているのだから良いトレードだと思う。小林はチャンスだよ。首脳陣は小林がいるから銀ちゃんをトレードに出せたわけなんだから(原文ママ)」、「小林がトレード要員でないことが証明されたね。大城のリードは厳しい。『打てる捕手』は魅力かもしれないけど、やっぱりディフェンスが第一だよ。小林は違いを見せてほしい(原文ママ)」など、今回の炭谷の電撃トレードで小林に寄せる期待の声が高まっている。

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