警視庁に逮捕された経産省キャリアの桜井真容疑者(C)朝日新聞社
警視庁に逮捕された経産省キャリアの桜井真容疑者(C)朝日新聞社
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逮捕された経産省の桜井真容疑者(左)と新井雄太郎容疑者(SNSより)
逮捕された経産省の桜井真容疑者(左)と新井雄太郎容疑者(SNSより)

 経済産業省の職員3人が相次いでとんでもない事件を起こし、霞が関に激震が走っている。

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 警視庁に6月25日、コロナ関連の国の給付金550万円をだまし取った詐欺容疑で逮捕されたのは、経産省の経済産業政策局産業資金課の係長、桜井真容疑者(28)と、同局産業組織課の新井雄太郎容疑者(28)。

 2人ともキャリア官僚だが、驚いたことに、だまし取った家賃支援給付金の管轄は経産省中小企業庁。職場で堂々と詐欺を働いたというのだ。

 2人は慶応高校時代の同級生で、桜井容疑者は慶応大学からメガバンクに就職したが、退職し、経産省に2018年入省した。

 新井容疑者は慶応大学から東京大学のロースクールに進学し司法試験に合格し、20年に同省に入省した。

 2人は共謀して所有していたペーパーカンパニー「新桜商事」(本社東京都文京区)を使って、家賃支援給付金をだまし取ることを計画。コロナ禍で売上が減少したと虚偽の書類などを作成して、家賃支援給付金を申請した。今年1月に約550万円を会社名義の口座に入金させたという。

「桜井容疑者は高級外車2台を所有している上、1か月分の給料以上になる約50万円の家賃の千代田区一番町のタワーマンション14階に住み、派手な生活をしているという情報が警視庁に寄せられていた。贈収賄を視野に捜査が始まったが、ふたを開けたら家賃支援給付金詐欺だった」(捜査関係者)

 2人は新井容疑者の東京都文京区の自宅と親族宅と桜井容疑者の神奈川県の実家の計3か所へ月々200万円の家賃を支払っているというニセの賃貸借契約書を作成し、給付金をだまし取ったという。

「申告書、添付書類などは新井容疑者が大半を作成したようだ。一方、カネを派手に使っていたのは、桜井容疑者で、高級時計や外車を購入していた」(前出の捜査関係者)

 ちなみに桜井容疑者の住んでいた千代田区一番町の分譲タワーマンションは、不動産業者のサイトで見ると、約90平方メートルの物件で2億円近い値段がついている。

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