五輪での活躍が期待される田中大貴 (c)朝日新聞社
五輪での活躍が期待される田中大貴 (c)朝日新聞社

 東京五輪のバスケットボールは、7月25日からスタートする。5人制は男女とも12カ国が参加できるが、現在はホスト国の日本の他、アメリカ、アルゼンチン、フランス、スペインなど8カ国が出場権を獲得しており、残り4カ国はこれから決まるところだ。

 地元開催ということで活躍を期待したい日本代表は、女子こそメダル争いの声も聞こえてくるが、男子はこれが1976年のモントリオール大会以来、44年ぶりの出場となる。Bリーグがスタートし、日本人2人目のNBAプレーヤーとなった渡邊雄太や日本人初のNBAドラフト1巡目指名を受けワシントン・ウィザーズ入りした八村塁、そしてオーストラリアでプレーする馬場雄大を擁するなど、史上最強の日本代表となったが、それでも格上の強豪国ばかりが揃う五輪では、かなりの苦戦を強いられるだろう。

 ちなみに男子日本代表は、2019年に中国で開催されたW杯で一次ラウンド0勝3敗。順位決定ラウンドでも一勝もできず、32チーム中31位の結果に甘んじた。東京五輪では、1次リーグC組となりスペイン、アルゼンチンと対戦することが決定。世界最終予選で勝ち上がった国がこれに加わるが、大舞台で一つでも白星を挙げることが期待される。

 そんな日本代表は、フィリピンで行われた「FIBA アジアカップ 2021予選」に出場したばかりだ。この大会に渡邊、八村、馬場の姿はなく、国内組のみで参戦すると結果は1勝2敗。チャイニーズ・タイペイ戦こそ98対61と大勝したが中国には連敗し、アジアの壁を越えることはできなかった。

 日本が東京五輪で勝利するためには、当然ながら渡邊、八村、馬場の活躍は欠かせない。しかし、3人だけが良いプレーをすれば勝てるほど世界は甘くない。彼ら以外の国内組が、フィリピンで見つけた課題をどう克服し大一番に備えられるのかも、勝利へのカギ。五輪前には「日本生命カップ2021」「SoftBankカップ2021」として沖縄と埼玉で合計5試合を行うが、ここでの調整ぶりも気になるところだ。

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海外組以外で注目される選手は…