大阪府は2月、国に自らが緊急事態宣言の解除を要請。当初の予定より1週間早い、2月末の解除となった。大阪府職員はこう話す。

「緊急事態宣言を早く解除してほしいと求めたのが、1カ月ほど前。今度はまん延防止等重点措置を早く出してほしいと要求した。チグハグさに府庁内でも吉村知事が大丈夫なのかという声が上がっています」

 こうした批判の声に吉村氏は「緊急事態宣言の解除と今回の感染拡大はストレートにはつながらない」と会見で反論している。

「今回の感染拡大には2つ要因がある。1つは人の行動、春休みにはいって、年度替わりもあり、歓送迎会やコンパ、飲み会ですね。緊急事態宣言解除されて、そして春休み。若い人中心に感染リスク高い場面が急増している。もう一つは変異株による、感染拡大の速度。海外の調査でも変異株は1.7倍の感染スピードという。保健所や現場からも同じように感染力が高い、早いと聞いている」(吉村氏)

 新たな感染拡大による「まん延防止等重点措置」がスタートする4月5日からは、大阪市内の飲食店の営業時間を現在は午後9時までだが、午後8時までに短縮するよう要請。不要不急の外出自粛も要請する。大阪市内の歓楽街で飲食店を経営する店主はこうぼやく。

「せっかく午後9時まで延長されて、お客さんが入りはじめたと思ったら、また逆戻り。これでまた客足は遠のく。これなら緊急事態宣言で補償を手厚くやってくれる方が助かる。緊急事態宣言の解除を前倒ししない方がよかったんやないの」

 自民党の大阪府議会議員は政策の失敗と断じる。

「吉村氏はアクセルを踏み、また急ブレーキの連続。“まん防”の適用もあんたが言うかという思いや。大阪府民が吉村氏の行き当たりばったりのコロナ対応に、振り回されている。イソジンのうがい薬を使えば、コロナウイルスが消えると記者会見。店頭からうがい薬が消える騒動もあった。しかし、吉村氏からは特別なアナウンスは何もなく、効果の話もうやむやです。花火は上げるが、あとは知らんというばかりの姿勢にうんざりです」

次のページ
大阪の聖火リレー中止がオリンピック中止論に波及