大阪維新の会の地方議員もこうため息をつく。

「吉村氏は迷走しているように、見えますね。緊急事態宣言の解除はもう少し慎重であるべきではなかったか。支持者からも吉村氏は『このままで大丈夫か』との声も聞かれる」

「まん延防止等重点措置」が適用されると、自治体から飲食店には従うように「強制命令」も可能となる。吉村氏も「個別に(飲食店を)見回る。場合によっては指導を強化する」と発言している。自民党幹部は吉村氏に対し、こう苦言を呈する。

「大阪は早く緊急事態宣言を解除と求めたと思えば、まん延防止等重点措置をと言ったり、こっちもひっかきまわされるよ。菅首相は絶対に東京オリンピック・パラリンピックは開催するつもり。聖火リレーを止められると正直、困るんだよね。スポンサーの関係もあるし、オリンピックの盛り上がりに水を差すという観点からも。大阪の聖火リレー中止がきっかけでオリンピック中止論が大きくなる可能性もある」

 この後、東京オリンピックは無事に開催できるのか?目が離せない。(今西憲之)

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今西憲之

今西憲之

大阪府生まれのジャーナリスト。大阪を拠点に週刊誌や月刊誌の取材を手がける。「週刊朝日」記者歴は30年以上。政治、社会などを中心にジャンルを問わず広くニュースを発信する。

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