「五輪は開催して欲しい」が現実は? “ワクチン先進国”で戦う日本人バレー選手の考え (1/3) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

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「五輪は開催して欲しい」が現実は? “ワクチン先進国”で戦う日本人バレー選手の考え

小崎仁久dot.
2月3日に1度目のワクチンを接種した直後の様子(写真提供・野瀬将平)

2月3日に1度目のワクチンを接種した直後の様子(写真提供・野瀬将平)

 この1年、スポーツも他の分野と同様、新型コロナウイルス感染症に大きな打撃を受けてきた。しかし昨年末から新型コロナウイルスに対するワクチンが各国で承認され始め、ワクチン接種は市民の日常と同時に、アスリートの命と健康を守り、以前のように皆がスポーツに親しむ環境を取り戻す最大の手段として期待されている。

 日本ではまだ先のことになりそうではあるが、ワクチンはアスリートとスポーツの環境にどのような影響を及ぼすのだろうか。世界アンチ・ドーピング機構は、現在のところワクチンによりドーピングテストで陽性となることはなく、アスリートのパフォーマンスに長期的な影響をもたらす証拠もないと見解を示している。しかし実際にはどうなのだろうか? またワクチンが普及しても、すぐには以前のようなスポーツ環境に戻らないのではないだろうか?

 野瀬将平は、昨季までVリーグのFC東京でプレーしていたバレーボール選手。今シーズンは日本を飛び出し、イスラエル・プレミアリーグ、ハポエル・クファル・サバの一員として活躍している。世界最速でワクチン接種が進むイスラエルだが、野瀬もすでに接種を終えた。COVID-19後の世界へ先を走る国に暮らす1人として、おそらく最も早く接種した日本人アスリートの1人として、彼の話は興味深い。

 イスラエルでは総人口約900万人のうち、現在55%が第1回目のワクチン接種を受けており、48%が第2回目も終えている。野瀬もチームメイトと一緒に、2度の接種を2月に受けた(イスラエルでは外国籍の市民でもワクチン接種が可能)。選手として気がかりの一つはワクチンの副作用だが、ほとんどなかったと野瀬は言う。「1回目は、注射を打った左肩に筋肉痛を感じた程度。2回目は体がだるくなり少し体調が悪くなりましたが、熱もなく次の日には回復しました。チームでも2日休んだ選手が1人いたぐらいでした」

 イスラエルでは2回の接種を終えると、保健省から「グリーン・パス」と呼ばれる証明書が発行される。そのパスがあると、街中のレストランやカフェ、ホテルに入ることができ、トレーニングジム、プール、スタジアム、スポーツイベントへの入場においても提示が義務付けられている。グリーン・パスは未接種者への差別を生むといった問題も抱えるが、世界各国、同様のプログラムを検討しており、イスラエルが先駆けて始めた政策である。実際、カフェやトレーニングジムの入場にパスが必要になったと野瀬も話している。


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