市教委は、「2分早く帰ったために、やるべきサービスができなかったとか、業務に支障を与えたということではありません。ただ、不正は明らか」と処分理由を説明。4人とも「早く帰りたかった」と反省しているという。

 この件が報じられると、ネット上では「ルール破りはダメ」「定時に帰れるだけ公務員はマシ」との厳しい指摘がある一方、「公務員であっても勤務時間の調整をしてもいい。こういうときこそ『働き方改革』を」「気持ちはわかる。30分(待つの)は大きい」などと、同情や柔軟な制度を求める意見も出ている。

 労働問題などを扱う「はまぎく法律事務所」の矢作麻子弁護士は、
「不正行為であることは間違いないので、処分は仕方ない」と前置きしつつ、こう疑問を呈す。

「業務内容にもよりますが、定時前の2分間というわずかな時間で、業務に大きな損害を与えたとは考えにくいと思います。公務員という立場で、市民の目を考えての処分内容だと思いますが、課長補佐級の女性職員への減給処分と返金請求は、重すぎるのではないかと感じます」

 また、不正の背景にあった「バスを待つ時間」について、矢作弁護士は次のような考えを述べる。

「公務員でも民間企業でも、仕事で疲れた後、帰りのバスを30分も待つというのは心情的に辛いことは確かです。公務員はルールの順守が求められる一方で、これからは働く側に合わせてより柔軟な対応ができるように、ルールそのものを変えていくことが求められると思います」

 もちろん不正な行為であることに変わりはない。だが、たった2分の「ズル」が長年続いてきた理由も、市は考える必要があるのかもしれない。(AERAdot.編集部)