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コロナと闘う医師2「皮膚についたウイルスを素早く無効化」人を助ける大きな1歩

ウイルスの皮膚上の不活化についての研究は、手作業で行うパートも多かった(C)朝日新聞社

ウイルスの皮膚上の不活化についての研究は、手作業で行うパートも多かった(C)朝日新聞社

廣瀬亮平医師/2007 年、京都府立医科大学医学部卒。16年、同大学大学院医学研究科早期卒業(医学博士)。現在は同研究科消化器内科助教。専門は感染症学、環境感染症学、消化器病学など。日本内科学会認定医、日本消化器内視鏡学会専門医、日本消化器病学会専門医(写真/楠本涼)

廣瀬亮平医師/2007 年、京都府立医科大学医学部卒。16年、同大学大学院医学研究科早期卒業(医学博士)。現在は同研究科消化器内科助教。専門は感染症学、環境感染症学、消化器病学など。日本内科学会認定医、日本消化器内視鏡学会専門医、日本消化器病学会専門医(写真/楠本涼)

 2019年12月初旬、中国で発生したとみられる新型コロナウイルス感染症(以下、新型コロナ)は全世界で猛威を振るい、2021年2月12日の時点で感染者数は約1億777万人となっている。

 現在発売中の『医者と医学部がわかる2021』では、収束の道筋がいまだに見えないなか、コロナと闘う3人の医師たちの姿を取材した。前回に続き2回目は、感染制御の研究をする医師の使命をお届けする。

*  *  *
 新型コロナウイルスの感染を防ぐための方法を確立しようと、アプローチを続ける医師たちもいる。

 京都府立医科大学大学院医学研究科消化器内科の廣瀬亮平助教らの研究グループは2020年10月、新型コロナウイルスがヒトの皮膚の上で約9時間生存し、エタノール消毒をすれば15秒程度で不活化できるという研究結果を発表した。同じ条件下で1時間50分ほどだったインフルエンザウイルスに比べて5倍長く感染力を保つことがわかった。

■ウイルスの感染を、いかにして防ぐか

 廣瀬助教が今回の研究を思いついたのは、新型コロナウイルスの感染が広がる以前のことだ。

 医師になって感染制御チームに入り、院内感染対策でアルコール消毒を呼びかけていたが、その根拠を説明できないことにもどかしさを感じていた。

「アルコール消毒の効果を疑問視する医師を説得したいのに、理論や研究を調べても出てこない。ならば作ろうと考えたわけです」

 アルコール消毒の効果と弱点を調べるため、主にインフルエンザ対策として数年前から研究を始めた。リアルに近い状態での効果を知りたいが、ヒトの皮膚に病原体をのせるのは危険だ。悩んでいたところ、司法解剖での皮膚の一部を使えることを知った。

「ちょうど新型コロナがはやり始め、解析ターゲットの第1号になりました。もともと新型コロナ対策で作ったモデルではないので、今後出てくるウイルスにも役に立つはずです」

 感染制御の世界では、「エビデンスが非常に少ない」と廣瀬助教は話す。

「ウイルスの遺伝子解明などの研究が進んでも、感染リスクという基本的な部分の研究は進まず、手洗いやアルコール消毒も、やったほうが良さそうではあるという程度で、根拠が少なかったんです」


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