アカウント停止処分を受けたワタナベマホト(c)朝日新聞社
アカウント停止処分を受けたワタナベマホト(c)朝日新聞社
へずまりゅう(YouTubeより)
へずまりゅう(YouTubeより)

 未成年の女性にわいせつな画像を送らせていたことを告発され、1月22日に所属事務所「UUUM」から契約を解除されたYouTuberのワタナベマホト(28)。27日には、YouTubeチャンネル「マホトMAHOTO」が、YouTubeのコミュニティガイドラインに違反したためアカウント停止処分になった。

【写真】過去に9回BANされたYouTuber

 今回のようなアカウント停止処分は、ネット上では「BAN」「垢バン」などと呼ばれ、これまで数多くのYouTuberたちの収入源を絶やしてきた。今回のケースも、「YouTubeからの追放」に等しい重い制裁とみられるが、実はワタナベの動画がYouTubeから完全に”消えた”わけではない。

 ワタナベは主なアカウントを2つ所有していて、停止処分を受けたのは、昨年3月に開設された新チャンネルのみ。それ以前に運営されていた旧アカウントのチャンネル「ワタナベマホト」は、1月28日現在も存続している。基準が判然とせず、物議を醸すことの多いBAN。そもそもBANは、どのような仕組みなのだろうか。

 BANの対象は、YouTubeの利用規約である「コミュニティガイドライン」に違反している動画やチャンネル(著作権侵害の動画なども対象)だ。通常は、アカウント停止にいたるまでに数回の警告がある。1回目、2回目の警告では、一定期間動画の投稿ができなくなるなどの機能制限を受け、2回目の警告から90日以内に3回目の違反警告を受けると、チャンネルが永久に削除される仕組みだという。

 ただ、規約に<場合によっては、悪質な嫌がらせ行為を1度でも行うと、事前警告なしでチャンネル停止になることがあります>と記載があるとおり、悪質な場合は「一発退場」の処分が下されることもある。

 BANをめぐっては、制裁を受けたYouTuberが「どの動画がガイドラインに抵触したのかわからない」と述懐することもしばしば。「ガイドラインに違反していたため」というあいまいさのためか、原因が判然としないケースも多い。ネットのモラルに詳しい増田拓也弁護士は、次のように話す。

「YouTuberたちは、運営側の予想もつかないようなことをする可能性があるので、細かな事例をすべて明文化して取り締まることは難しい。ルールは広くとって解釈の余地を残しておいた方が、いろんな事例に適用できるため、運営側には好都合なのだと思います。ただ、リアルでの常識とネットでの常識は違います。ネットの常識はまだまだ共有されていないので、『これぐらいやってもいいだろう』という認識が個々によって違う。そのため訴訟沙汰になるようなトラブルも起きてしまう」

 では、過去に有名YouTuberたちを震え上がらせた、”BANの歴史”をいくつか紐解いてみよう。

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ラファエル・へずまりゅうのBANの違い