――その謎の答えは見つかりましたか?

そうですね。基本的にみんな何かしら夢のようなものを持っていて、でも大人になる過程でそういったものに折り合いをつけていかなきゃいけないタイミングが来ますよね。例えば自分のこの身長だとモデルになれないなとか、この年齢からメジャーリーガーは難しいよね、とか。一方で、いい歳して夢をまだ捨ててない奴がいて、それを磨いて磨いて、今まさに輝かせようとしている夢追い人がいる。そんな「夢を捨てなくてよかった」っていうことを証明してしまうような夢追い人ってつまり、みんなが捨てたものでできているゴミ人間で、周りからすると脅威でしかない。つまり先に攻撃してるのは、実は夢追い人の方で、アンチ活動はその「反撃」なのだと理解しました。そう整理がついた時に、絵本ではここまで描けないので、アンチ側の正義も回収しようと思ってこの映画ができました。

――映画自体、非常にメッセージ性が強いですね。

やっぱり思うのは、日本人はずっと魔女狩りしてるじゃないですか。大人が時間とお金を使って魔女狩りして、ドリームキラーになって、挑戦する人を笑って攻撃して、失敗したら立ち上がれないぐらいまで叩きのめして。そうすると挑戦者が減っちゃうのは当然で。挑戦者が減っちゃうって、日本の損失でしかないですよね。舞台挨拶で言ったんですけど、とにかく挑戦する人が笑われる世界を終わらせるっていう、その思いは強くあります。

――過去には激しいバッシングを受けられることもありました。夢や目標を捨てなかったのはなぜでしょうか。

僕だけじゃなく友達やスタッフも応援してくださっていたファンの人たちも日本中から攻撃されていたんです。そういうのを間近で見ていて、このまま白旗をあげちゃうと彼らがやり切れないし、そもそも僕たちそんな間違ったことをやってないはずなので。例えば、2013年にすごく炎上したことがあったんですけど、なぜかというとクラウドファンディング(クラファン)をやったから。日本人がクラファンという選択肢を知らないというだけで、「あれはいかがわしい何かしら詐欺的なもの、宗教的な何かに違いない」って。「知らない」っていうことと「嫌い」っていう感情は近いんでしょうね。それで、コロナ禍でお金が回らなくなってから、みんなクラファンを立ち上げ始めたじゃないですか。でもクラファンを否定してた人の周りには、クラファンにログインする人が少ないので、支援が集まりづらい。批判すること自体は別に僕はいいと思っているんですが、知らないものを批判するってあまりにも危険すぎるんです。

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