――コロナ禍で不安や困難を抱える人が増えるなか、読者の方々にメッセージをお願いできますでしょうか。

知らないものを否定しないということですね。ピンチになればなるほど、知識がものをいうので。まずはどういう生き残り方の選択肢があるのか知らないといけない。一つ確かなことは、未来は必ず“いかがわしい”ところから来るんです。インターネットだって、1999~2000年辺りとかって IT会社はそもそも不動産とか契約できなかったんですよ。「怪しいことしようとしてんだろう」って思われちゃって。とにかく未来は、新しい選択肢は、いつだっていかがわしいところから来るから、そこに蓋をしてしまうと確実に首が締まって、しんどくなるのは自分なので。否定するのは構わないですけど、ちゃんと咀嚼してから否定するっていう、そこは徹底しないと駄目だと思うんです。映画の中でルビッチっていう少年がただ否定する人に対して、「誰か見たのかよ、誰も見てないだろ。だったらまだ分かんないじゃないか」って叫ぶんですが、あれが全てだと思ってます。まだ分かんないんだから 1 回見ようよ、ちゃんと耳を傾けようよっていうことですね。

(聞き手/藤岡敦子)

◆プロフィール
にしの・あきひろ/1980年兵庫県出身。芸人、絵本作家。「Dr.インクの星空キネマ」「えんとつ町のプペル」等の絵本のほか、ビジネス書「魔法のコンパス」「革命のファンファーレ」、エッセー「ゴミ人間」等著書多数。オンラインサロン「西野亮廣エンタメ研究所」の会員数は7万4000人と国内最大。