CA採用はコロナ禍で大きな打撃を受けている(写真はイメージ/GettyImages)
CA採用はコロナ禍で大きな打撃を受けている(写真はイメージ/GettyImages)
CA採用者の出身大学ランキング(出典/大学通信)
CA採用者の出身大学ランキング(出典/大学通信)
大学別の就職者数に占めるCA採用率ランキング(CA採用者5人以上の大学、出典/大学通信)
大学別の就職者数に占めるCA採用率ランキング(CA採用者5人以上の大学、出典/大学通信)

 たいへん厳しい業界となった。キャビンアテンダント(CA)である。

【表】CA採用者の出身大学ランキング

 コロナ禍で航空業界が大きな打撃を受け、全日空、日本航空は2021年度のCA採用を見送った。

 同年度、CAの採用を行ったのは、新規参入、あるいは地方空港を拠点とする航空会社に限られていた。スカイマーク、ソラシドエア(宮崎)、フジドリームエアラインズ(静岡など)、アイベックスエアラインズ(仙台など)、オリエンタルエアブリッジ(長崎など)などである(カッコ内はおもな拠点空港)。

 航空業界の就職情報誌「月刊エアステージ」(イカロス出版)の編集長、川本多岐子さんは、CA希望者の進路についてこう話す。

「他の業種に就職して次年度以降の採用を待つ、あるいは大学を休学するなどして1年留年し、新卒で就職試験に挑む、というケースが見られます。ただ、全日空は22年度の新卒採用もないと公表しているので、大学は、学生にいったん就職してから再チャレンジするようにすすめていると思います」

 CA希望者が併願する業種について、最近の傾向はどうだろうか。

「航空会社のグループ企業への併願者がもっとも多いように思います。つぎにブライダル業との併願者が目立ちます。人を幸せにしたいというコンセプトから、通じるものがあるのでしょう。また、ホテル、鉄道関係も多いです。旅行会社は難関で狭き門ですが、内定をとる人はでています」

 小さいころからCAになることを夢見ていた学生には、気の毒としか言いようがない。早い時期のCA採用が待たれる。

 ここで、コロナが直撃する前年の採用である、2020年度のCA採用ランキングをみてみよう(大学通信調べ)。

 ランキング上位校は、国際系や外国語系学部がある、女子学生が多い、ミッション系、大学所在地が都市部にある――という特徴が見られる。ここ数年変わらない傾向であり、大学の顔ぶれに大きな変化はない。前出の川本さんはこう話す。

「関西外国語大、青山学院大、関西学院大、明治学院大、名古屋外国語大、立教大などの上位校には、CAになりたい学生がたくさん集まっています。これは大きいですね。キャンパス内でCAとして働くという雰囲気がつくられることで学生のモチベーションも高まり、毎年、就職者を多く出すという好循環になっています」

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