2020年度採用では、これまで上位に顔を出さなかった大学が登場している。

 近畿大である。これは2016年新設の国際学部が初めて卒業生を出し、同学部からのCA採用者が多かったことによる。近畿大は国際学部の進路について次のように伝えている。

「日本航空や全日本空輸など航空会社の客室乗務員(15人)のほか、商社、ホテルなど、業務上で英語力を必要とされる業種を中心に、幅広い業界で内定がでています。近畿大学のなかでも国際学部の就職内定率は高く、ほかの文系学部と比較して10ポイント近く高い数値になっています」(同大学広報室ニュースリリース)

 CA採用者上位校は、昨今、CA養成に特化したプログラムを充実させている。

 青山学院大では海外インターンシップとしてオーストラリアで「大学での専門英語研修(2週間)+カンタス航空 CA 体験(1週間)プログラム」を行っていた。ウェスタン・シドニー大学で2週間の英語研修を受けたあと、カンタス航空本社で1週間の就業体験をするものだ。

 名古屋外国語大はなかなか豪華なラインアップだ。航空業界をめざす全学生を対象にした、「エアラインドリカムプラン」という四つのプログラムがある。

(1)エアライン・ホスピタリティ科目&企業提携プログラム ANAやJALなどの航空会社と連携
(2)エアライン・トレーニング・スタディ&インターンシップ 外資系航空会社の正規訓練施設での研修や企業で就労経験
(3)資格別・志望業種別対策講座
(4)業界研究グループ 学生主催の情報交換と交流の場

 名古屋外国語大はCA養成について誇らしげに伝える。

「航空業界への就職をめざす学生を対象に、オーストラリアやマレーシアで、外資系の航空会社が乗員訓練で実際に使用する施設を使い、訓練の厳しさや旅客機の安全運航の重要性を認識するためのCA(キャビンアテンダント)体験型プログラム『エアライン・トレーニング・スタディ』を実施。英語で受けるさまざまな実習は、まさに外資系航空会社での研修そのもの。海を渡り現地で語学力や英語コミュニケーション力を発揮・実践する機会としても、当プログラムは活用されています」(大学ウェブサイト)

 このようにいくつかの大学ではCA養成に力を入れている。

 だが、残念ながら2021年度のCA採用者数はANA、JALが未採用のため、どの大学も壊滅的な打撃を受ける。CA採用者の出身大学ランキングは、データとして成立困難になりそうだ。採用再開を祈りながら、CAに強い大学をしっかり目に焼き付けてほしい。

(文/教育ジャーナリスト・小林哲夫