小回りがきいて気軽に楽しめるミニベロ
小回りがきいて気軽に楽しめるミニベロ
ミニベロ仲間が集まるツーリングも各地で開催されている(2019年)
ミニベロ仲間が集まるツーリングも各地で開催されている(2019年)

 新型コロナウイルスの感染を避けるため、混雑する電車やバスを避けて自転車通勤する人が増えている。ここ数年、都市部にシェアサイクルが定着し、2020年4月に国土交通省が「『自転車通勤推進企業』宣言プロジェクト」を創設したことを受けて、多くの職場が通勤や業務で自転車利用を認め始めたことも背景にあるようだ。

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 ペダルをこいで寒風の中を疾走すれば、日ごろの運動不足を解消できるかもしれない。新しい自転車の購入を検討し、せっかくならば他人とは違う所有欲を満たす逸品を手に入れたいというニーズにぴったりなのが、“ミニベロ”と呼ばれるタイプの自転車だ。あまり馴染みのないカタカナ語なので、辰巳出版「自転車日和」編集部の横木純子さんに特徴などを聞いてみた。

「小さな車輪(=小径)の自転車を総じてミニベロと呼びます。小型を意味するミニ(英語)と自転車を意味するベロ(仏語)をつなげた和製語で、1970年代から使われているようです。上質な自転車と暮らすライフスタイルの定着に合わせて、10年前くらいから注目され始めました」

 一般的には車輪サイズ20インチ以下、折りたたみ式(=フォールディングバイク)などもあるミニベロだが、さらにいくつかのタイプがある。通勤などの普段乗りなら「クロスバイク」、スピードを競うなら「ロードバイク」、オフロードを走るなら「マウンテンバイク」と用途によってタイプが選べる。また、洗練されたデザインが多いので、ミニベロを移動や競技の道具としてだけでなくファッションやコレクションの一部として選ぶ人も少なくないという。

「コンパクトなので速く走れないと思われがちですが、ミニベロはギア比が考えられているのでタイヤが小さくても意外とスピードが出ます。しかも信号の多い市街地では大きな車輪よりもこぎ出しが軽いのでストレスなく走れるでしょう。折りたたみ式であれば保管や運搬にも便利。小回りがきいて気軽に楽しめることがミニベロの大きな魅力です」

 価格は通販サイトで1万円程度から選べるが、組み立ては自分でしなければならない。

「自転車は命を預ける乗り物。とくにミニベロはタイヤサイズが一般的でなく、特殊なパーツが使われていることもあるので、私たちは専門店でしっかり組み立てられた製品の購入を推奨しています」

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