専門家からも厳しい指摘が出ている。

巨人4連敗は経済波及効果の面ではものすごく大きなマイナスです。その意味でも、ひとりのセ・リーグファンとしても巨人にはもうちょっと頑張って、せめて第6戦まではいってほしかった」

 と話すのは大のプロ野球好きで、経済波及効果の研究で知られる関西大学の宮本勝浩名誉教授(理論経済学)だ。

 宮本氏によると、日本シリーズ後の優勝セールやパレードを除いた、シリーズ期間中のチケット販売、観客の飲食やグッズ購入、交通機関利用などによる経済波及効果は第6戦で決着がついた場合は約43~44億円、第7戦までもつれた場合は約50~51億円に上るという。

「今回は、コロナ禍による入場制限の影響で4試合の観客数が計7万人弱と例年に比べ激減しました(昨年は4試合で16万3365人)。私の試算では今年の日本シリーズの経済波及効果は14億6500万円、と非常に厳しい数字が出ています。福岡でも、特に球場周辺やファンが試合後に訪れる飲食店などは大きな影響が出たと思います」(宮本氏)

 そして、こんな核心的な言葉で締めくくった。

「それ以前に問題なのは実力差です。ソフトバンクと巨人では投手の直球の威力も、打者のスイングの迫力も素人が見てわかるほどのレベルの違いだった。去年よりさらに差が開いた気がします。4試合だけでは経済面でもマイナスですし、野球ファンとしても面白くない。特に屈辱を味わった巨人にはなんとかして差を埋めてほしいと思います」

 多くの野球ファンの思いも同じだろう。(AERAdot.編集部)