また今オフ最大の懸念事項は、左腕エース大野の去就。メジャーも熱視線を送るサウスポーの残留は、中日にとって最重要課題である。

「移籍が有力視されている。今季は勝ち負け関係なくトコトン引っ張って投げさせられている。調子が良くなくても完投を繰り返すのは、与田監督が他投手への信頼がないからで、そのツケが大野に回って来ている。大野自身も開き直っていて、他球団への売り込みもあるので不平を漏らさず投げている状態」(中日担当記者)

 阪神は昨年3位でCSに出場、今年は巨人の独走を許したが、11月1日終了時点でリーグ2位と上位にはしっかり食い込んできている。投手陣は抑えを務めた藤川球児が現役を引退するが、西勇輝という大黒柱がいて、高橋遥人など若手の先発も台頭して来た。野手陣もリーグ屈指の捕手・梅野隆太郎と中堅手・近本光司がいて、高卒新人・井上広大も1軍デビューを果たした。藤浪晋太郎も中継ぎの起用で好投を続け、10月28日の中日戦では先発投手として投球も見せるなど復活の予感もある。来季以降に期待を持てる布陣になりつつあるが……。

「選手の気持ちを考え過ぎるのか、調子が悪くてもズルズルと使うケースが多い。藤川も開幕から立て続けに打たれた時点で、早めに見切りをつけられたはず。また福留孝介、糸井嘉男などのベテランも戦力とは言い難いがスタメンを外さない。監督として甘過ぎるという声が多い。藤浪に関しても、もっと早く先発失格を決定できたはず。人間味があると言えばそれまでですが……」(阪神担当記者)

 矢野監督の続投については反対の声も上がっていたという。求心力を失ったきっかけは、コロナ禍での会食事件。遠征中、選手らと内規の上限を超える人数で食事会が発覚した。球団が「事前に許可していた」と不問にした。同様の違反で集団感染を引き起こした選手が処分されたのとは対照的だった。

「これはOBの間でも問題になった。選手だけの食事は違反、事前申請して監督がいれば許可というのは筋が通らない。これがまかり通れば監督にごまをする選手も出て来る。結果が出ない一部ベテランを重宝するのも同様に思える。これでは指揮官としての威厳はなくなる」(阪神OB)

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ともに“感情的”になる部分も?