「鹿野さん(原作の中心人物の鹿野靖明さん)は、なんでもストレートに発言されていた。ボランティアと介助される側は、常にお互いの息遣いまで感じる距離感で接しなくてはいけないから、遠慮や壁があると、介助を受けるほうも逼迫してしまうんでしょうね」(CREA 2019年1月号/28歳)

「この作品を通して、人との壁を越える勇気や、その大切さを自然と教わった気がします」(同)

TWO WEEKS
 2019年7月から放送したサスペンスドラマ。殺人の濡れ衣を着せられた主人公(三浦さん)が、白血病を患った娘のドナーになるために、2週間逃げ続ける。三浦さんは初の父親役に挑んだ。

「この物語は、ただの逃亡劇ではなく、人は2週間でどれだけ成長できるのかということがテーマです。(中略)回を重ねるごとに、結城(三浦さん演じる主人公)の人間らしさや感情、思考がクリアになってきたので、僕自身も同じ気持ちを感じながら走っています」(ESSE 2019年10月号/29歳)

 主題歌「Fight for your heart」も三浦さんが歌い、評判となった。三浦さんには、近年リアルタイムでドラマを見る若者が減ったため、ドラマを見る人が増えればという思いがあったという。

「(主題歌は)ドラマのストーリーと結城の心情に沿ったアップテンポで熱く、高揚感を感じる曲。演じる自分の身に浸透していく感覚が印象的でした。曲がきっかけとなり、ドラマを観てくださる方がいたらうれしいです」(同)

世界はほしいモノであふれてる~旅するバイヤー 極上リスト
 最後に、映画やドラマ、舞台ではないが、これも三浦さんのひとつの作品といえるテレビ番組を紹介したい。2018年4月から放送が始まった、歌手のJUJUさんとMCを務めたNHKの番組、通称「せかほし」だ。世界中でさまざまな名品を買い付けるバイヤーをゲストに招き、モノにまつわるストーリーを買い付けの旅とともに紹介。スタジオでのやりとりに、三浦さんの人柄が表れていた。

「毎回、尊敬です。バイヤーさんたちの、あの知識量と熱量、プロとしての責任感!」(ステラ 2018年4月20日/28歳)

 テレビのMCは初めてだったという三浦さん。最初は戸惑いもあったようだが、番組が2年目に突入すると、思い入れが深くなってきたのが伝わってくる。

「僕たちMCを含め、この番組に関わるスタッフ全員が『このすてきなモノを、お茶の間の皆さんに伝えるんだ!』というアツい気持ちでつながっている。そこにウソはないし、苦労も惜しまない。その温度感が僕にはとても心地よくて。今では<せかほし>は、すっかり僕にとっての“ホームグラウンド”です」(ステラ 2019年4月19日号/29歳)

「“モノ”の先には、必ず人がいます。そして、人の生活、営みがある。(中略)モノとは、さまざまな出会いへの入り口だと思うんです」(同)

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できれば、3、4年続けたい