阪神では藤浪晋太郎が代表格だが、同期で2位入団の北條史也も停滞が続いている。4年目の2016年には122試合に出場して105安打を放ちレギュラーを獲得したかに見えたが、翌年以降はベンチを温める試合が多くなっている。ショートとしては完全に木浪聖也の控えという立ち位置となり、ここ数試合はセカンドでも出場しているが、もうひとつ存在感を示すことができていない。同じ高校卒のドラフト2位で2年目の小幡竜平も台頭してきているだけに、少ないチャンスを生かさないとますます苦しい立場に追い込まれることになりそうだ。

 阪神でもう一人停滞しているのが2015年1位の高山俊だ。1年目には136安打を放って新人王を獲得する華々しいデビューを飾ったが、不安定な守備が災いして徐々に出場試合数を減らし、外野手の控えに甘んじている。昨年は少し復活の兆しが見えたものの、今年はここまで4安打と自身最低の成績に終わる可能性が高い。1年後輩で同じくドラフト1位の大山悠輔がタイトル争いを演じているだけに、先輩の意地を見せてもらいたいところだ。

 一方のパ・リーグでは首位を走るソフトバンクで活躍できていない上位指名の選手が目立つ。2013年1位の加治屋蓮は一昨年リリーフとして72試合に登板するフル回転の活躍を見せたが、この年以外はほとんど戦力となっていない。2014年1位の松本裕樹も毎年のように期待されながらもここまで通算4勝にとどまっている。2015年1位の高橋純平は昨年リリーフで17ホールドとブレイクしたかに見えたが、今年は開幕から出遅れて一軍登板を果たせていない。

 5球団が競合した2016年1位の田中正義もここまで通算わずか11試合の登板で0勝に終わっている。千賀滉大や石川柊太など育成出身の選手が活躍している一方で、これだけ1位指名の選手が伸び悩んでいるというのは無視することはできないだろう。スカウティングや育成方針を見直す時期に来ているのかもしれない。

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ロッテ1位指名の甲子園のスターも…