お金にまつわる“過去”を隠されていた女性もいる。

「周囲にはうらやましがられるデートばかりしていましたよ。でもこんな裏があるとは思いませんでした」

 製薬会社に勤務する橋本咲さん(仮名・33歳)は、夫が自己破産をしていた過去を知らずに結婚をした。現在、2歳の子供がいるがこのまま夫婦生活を続けていけるか不安を抱いている。

 橋本さん夫妻は同い年。大手企業に勤めている夫は、若いときからかなり羽振りがよかったという。

「記念日には高級ホテルとレストラン。大型連休は必ず旅行へ行っていましたよ」

 友人たちからは“うらやましい!”と言われ続け、「とても気分がよかった」と当時を振り返っていた。だが、いくつか「ん?」と思う所がなかったわけではない。

「今思えば、結婚式と結婚指輪がしょぼかった。それは既に自己破産していたからだったんですね……」

 結婚式はフォトウエディング、結婚指輪は2人で10万円程度のものだったそうだ。

「“これから家族になるし、生活は引き締めていかなくちゃね”って言われた時は、ぜいたくが大好きな私はげんなりしました。でも、既に30歳目前。次の結婚相手を探すことも厳しかったので、『ある程度の我慢も必要だ』と自分を納得させて結婚を決めました」

 夫が自己破産していたことに気づいたのは、子供が生まれて間もなくしてから。夫にマイホームの購入を提案した時のことだったという。

 橋本さんの提案に対して「まだ早いよ~」とのらりくらりと話をかわそうとする夫。「じゃあ、いつ買うの?」と迫っても明確な返事をしようとはしない日々が続いた。毎月家賃を払い続けることに嫌気がさしていた橋本さんは、皮肉っぽく「自己破産でもしてローン組めないんじゃないの?」と言ってみたそうだ。そこで返ってきたのは「そうだよ」という一言だったという。

「本当にあり得ないと思いました。こんな大切なこと秘密にするってありえますか?『知ったらフラれると思って』って言われたんですけど、そりゃそうですよ!」

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普段が偉そうな夫に“ダサい”過去が……