橋本さんは今でも怒りが収まらないようだ。だが、まだ子供が小さいため、すぐに離婚することは難しいとも話していた。

「次、何かあったときのために、夫には内緒で貯金をして対策をしています」

 女性関係やお金以外でも、夫の過去が夫婦関係に微妙な影を落とすこともある。

「普段から態度が大きい夫が、まさか高校時代に“ぼっち”だった過去があったなんて、完全に見る目が変わってしまいました」

 出版社に勤務する坂上りかさん(仮名・36歳)は渋い顔でそう話す。夫は会社経営者。以前から偉そうで、男尊女卑を感じる言動が多かったが、安定した経済力に魅力を感じ、結婚。現在は3歳の子供が1人いる。

 夫の“過去”を知ったきっかけは、坂上さんの取引先との会話だったという。

「何げない会話のなかで、取引先の女性から『私の夫も同い年で同じ高校ですよ』と言われたので、私が夫名前を伝えたら、すごく微妙な顔をされて……。ご主人とうちの夫との間で何かあったのかなと」

 気になった坂上さんは、高校時代の話を詳しく聞いてみた。そこで夫が高校時代には周囲から嫌われ、浮きまくっていたという話を聞いたという。しかもそれで高校を中退していたことも発覚した。

「取引先の方いわく、“周囲と雰囲気が合わなかったみたいだよ”とオブラートに包んでくれましたが、夫の態度から想像するに、すごく横柄な態度をクラス内でも取り続けていたんでしょうね。夫は私に高卒だけど成り上がったみたいに言っていたけど、卒業もしていなかったわけです。中退がどうこうよりも、それを隠していたことが“小さい”なあって」

 坂上さんは夫に対して、「あんなに偉そうにしているから……なんかガッカリだし、ダサイ。子供にもお父さんとして誇れる気がしなくなった」と話す。

 だが、当の夫に対しては、高校時代のことは気づいていないふりをしているそうだ。

「バラしてもいい結果にならないでしょうし、むしろ逆ギレされそうで面倒だなって。偉そうな態度を取ってるときに、“お前、高校ではハブられて中退したクセに”って思うほうがスッキリします」

次のページ
「知っていたら結婚していなかった」