メジャーリーグの伝説的プレイヤーのノーラン・ライアン(写真/gettyimages)
メジャーリーグの伝説的プレイヤーのノーラン・ライアン(写真/gettyimages)

「日本で最も有名なメジャーリーガーは誰か?」

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 野手ではベーブ・ルース、ピート・ローズなどが候補に挙がると思うが、投手ではノーラン・ライアンの名前を挙げる人が多いのではないか。

 脚を高く上げたダイナミックなフォームから160キロを超える速球を投げ込む剛腕投手として有名であるが、それ以外にも記録やエピソードなど今でも語り継がれる“伝説”は数え切れない。

 前述のとおり、ライアンを語るうえでまず欠かすことが出来ないのが、記録の多さだ。特に奪三振能力は、剛腕ぞろいのメジャーリーグでも別格な存在であった。エンゼルス時代の1973年にマークした383奪三振はシーズン歴代最多で、奪三振王に輝いたシーズンは歴代2位の11回を数える。通算の5714奪三振は歴代トップで、2位につけるランディ・ジョンソン(4875個、マリナーズなど)を圧倒している。今後、これを超える投手が出てくるとは考えにくく、不滅の記録といってもいいだろう。

 他にも三振に関する記録は多く、1試合10個以上の奪三振をマークしたゲーム数のシーズンタイ記録(23試合)と、キャリア通算の最多記録(215試合)を保持。加えて、300奪三振以上のシーズン(6回)、200奪三振以上のシーズン(15回)はともに歴代最多である。奪三振というカテゴリーではメジャー史上でもトップの存在であるのは疑いようがない。

 そして、もう一つライアンの記録で圧倒的なのはノーヒット・ノーランの数だ。通算では2位のサンディ・コーファックス(ドジャース)の4回を大きく引き離す7回のノーヒッターを達成。加えて、1安打ゲームの数も歴代最多タイとなる12試合、2安打ゲームの数は最多の20回と、もう少しでノーヒットノーランだったという試合も実に多いことが分かる。最後となる7回目の快挙を成し遂げた年齢は、最年長となる44歳3カ月で、その試合では相手のブルージェイズ打線から16三振を奪っているというのも驚きだ。

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ライアンの異常な“タフさ”