韓国の“安倍首相似”の土下座像から見えた、反権力リベラル男性の感性の限界 (2/2) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

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韓国の“安倍首相似”の土下座像から見えた、反権力リベラル男性の感性の限界

連載「おんなの話はありがたい」

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北原みのりdot.
「少女像」は女性の人権を求める運動の象徴だと北原みのりさんは考える(c)朝日新聞社

「少女像」は女性の人権を求める運動の象徴だと北原みのりさんは考える(c)朝日新聞社

作家の北原みのりさん

作家の北原みのりさん

 その後、さまざまな土地でさまざまな人々がさまざまな作家による「少女像」を建て続けている。ぽこぽこと世界中に建てられ続ける「少女像」、そんなこと誰が想像しただろう。ただの石碑だったらこうはならなかった。それはもちろん韓国政府が推奨したからなどではなく、日本政府が「慰安婦」問題を、否定し無視するような「忘れる」政策を積極的に取っているからこそ次々に建てられている……という状況だ。

 よく「少女像」は「慰安婦を象徴する」という紹介の仕方がされるが、正しくは「慰安婦運動を象徴する」像であると私は思う。誰も聞こうとしなかった残酷な過去を、命を絞るように伝えてくれた女性たちの闘いを象徴する像だ。世界各国で建て続けられるのは、#With Youの表明でもある。それは「反日」という言葉で矮小化されるものでなく、女性の人権を求める普遍的な闘いなのだと思う。

 私立植物園の少女像と謝罪像は、そういう女性たちの痛みの表面を薄く切り取り、「少女像」に自分や国家をやすやすと憑依させる自己満足に映る。結局これは性暴力の問題ではなく、日韓問題であるというメッセージからは、「慰安婦」女性たちの声も、彼女たちに寄り添ってきた女性たちの声も聞こえない。傲慢に見える。

 今週8月14日は、1991年に韓国の金学順さんが最初に声をあげた日。長い間塞がれてきた多くの女性の声が開いた日、#MeTooの原点の日だ。

北原みのり(きたはら・みのり)/1970年生まれ。作家、女性のためのセックスグッズショップ「ラブピースクラブ」代表


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北原みのり

北原みのり(きたはら・みのり)/1970年生まれ。作家、女性のためのセックスグッズショップ「ラブピースクラブ」代表

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