日本が誇るスピードスター・宮市亮
日本が誇るスピードスター・宮市亮

■宮市亮

日本が誇るスピードスター。特別な才能の持ち主だが、悲運にも選手生命を脅かすような大ケガに何度も見舞われている。

名将アーセン・ヴェンゲル氏に才能を認められ、2010年冬に18歳でプレミアリーグの強豪アーセナルと5年契約。フェイエノールトやボルトンで修業を積み、2012年にウィガンへ期限付き移籍を果たすが、11月に右足首靭帯を損傷で長期離脱。欧州挑戦の壁は厳しく、その後レンタルされたチームでもケガに悩まされ、2015年にアーセナルとの契約解除が発表された。

新天地としてドイツ2部のザンクト・パウリを選択したが、加入後1カ月で左足前十字靭帯断裂を負い、復帰後も2017年に今度は右足前十字靭帯断裂の重傷を負ってしまう。4シーズンで公式戦出場はわずか50試合未満と、キャリアを通して何度も何度もケガに泣かされてきた。

しかし、今季は完全復活。ここまで唯一リーグ戦全試合に出場しており、1ゴール7アシストと大活躍。サイドバックやウィングバックでも起用されるなど、新境地を開拓している。ドイツメディアも「ザンクト・パウリに不可欠な選手」と高い評価を下す。

本人も「ようやく1人前の選手になれた」と語るなど、初めて充実したシーズンを送っている。「日本代表復帰が夢」と語る27歳だが、現在のパフォーマンスを見ればその可能性は大いにあるだろう。

(文・三上凌平)