【広島】

ドラフト1位ルーキーの森下暢仁が、評判通りのピッチングを披露してローテ入り間違いなしの状況となっている。特に3月8日のオープン戦で西武打線を5回3安打無失点に抑え、8個の三振を奪った投球は見事だった。伸びのある直球は最速150キロを超え、武器であるカーブにカットボール、チェンジアップで打者を翻弄した。間違いなく即戦力で、すでに焦点は「2ケタ勝てるかどうか」だと言ってもいい。野手陣では田中広輔が復活の気配。昨季不振の大きな要因だった右膝の痛みを手術で取り除くと、春季キャンプから順調な調整ぶり。再び不動のリードオフマンとして働いてくれそうだ。

【中日】

ルーキーたちの評判がすこぶるいい。筆頭は3位入団の岡野祐一郎。オープン戦2試合に登板し、計6イニングを2失点も自責0の防御率0.00。3月25日に行われた巨人との練習試合でも5イニングを被安打4の無失点に抑え、即戦力としての期待値は右肩上がり。球団では2005年の中田賢一以来の新人開幕ローテ入りへ前進している。4位入団の慶大卒の捕手・郡司裕也も一軍メンバーの中で物怖じせずに堂々のプレーぶり。オープン戦では打率.357(14打数5安打)とアピールした。さらに1位入団の高卒スラッガー・石川昂弥が二軍で快音を連発して一軍戦にも出場。2位の即戦力左腕・橋本侑樹に加え、5位指名の岡林勇希の能力、将来性への評判も高く、近年稀に見る“神ドラフト”となりそうな気配だ。

【ヤクルト】

2年目の25歳、吉田大成の評価がうなぎのぼりだ。大学、社会人を経て8位指名でのプロ入りだったが、1年目の昨季は1軍13試合に出場。迎えた今季は、左打席からの力強いスイングを武器に、オープン戦で打率.310(29打数9安打)でチーム最多の9打点をマークしてレギュラー奪取へ猛アピール。何より勝負強さが際立ち、守備でも内野全ポジションに適応可能な使い勝手の良さで大幅な出番増は確実だろう。投手陣では、新外国人のイノーアが上々の調整ぶり。オープン戦3試合に登板し、計10イニングを被安打9の3失点(自責2)で防御率1.80の安定感を示している。投手陣が課題のチームの中で、働いてもらはなくては困る存在だ。